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「オオタニの存在が逆にプレッシャーに…」米メディアが明かす“ドジャース優勝までのウラ側”「ロバーツは解雇される?」まさかの監督解任説「歩くだけで激痛」フリーマンの骨折
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2024/11/05 11:01
ワールドシリーズ優勝パレードで。デコピンを抱きかかえ笑顔の大谷翔平(30歳)
現代アメリカ野球の「バレル革命」や、トレバー・バウアーの進化について書かれた『アメリカン・ベースボール革命』の著者、トラビス・ソーチック記者は、「X」でマイナーリーガー時代のコールについて、こんな分析がされていたことを紹介している。
2013年、コールがAAAのインディアナポリス・インディアンズ(パイレーツ傘下)でプレーしていた時のこと、当時のディーン・トレナー監督は、コールの未熟な部分についてこう言及していた。
「彼はミスが起きた時に、表情、体でフラストレーションを露わにしてしまう。それが味方のミスではなく、自分が打たれた時であっても。今季の序盤、イライラがつのり、それが雪だるま式に悪い結果を招くことが多々あった。いま、彼はそうした状況を鎮静化できるのは自分だけで、ダメージを最小限にすることを学び始めている」
10年以上経ったのに、そんな悪癖がワールドシリーズで飛び出した。
第5戦5回表。ジャッジのエラー、ボルピの送球ミスで満塁。ラックス、大谷から三振を奪ってエースらしいところを見せたはずだったが……。コールはベースカバーを怠り、ドジャースに「逆転の扉」を開いてしまった(一連のプレーにおける、キケ・ヘルナンデスとムーキー・ベッツの全力疾走は感動的である)。そして、フリーマン(この時投じたフォーシームは、今季最高速の99マイル。それをフリーマンに打ち返された)、テオスカー・ヘルナンデスに連打され、試合は振出しに戻ってしまった。
11年前、マイナーリーガーの時に懸念されていた傾向が、ワールドシリーズの舞台で首をもたげてしまった。
まったくもって、野球は怖い。
ソトの“ドジャース移籍説”も
ニューヨークのメディアもヤンキースがあっけなく負けてしまったことにショックを隠し切れない様子で、今季のオフにFA権を取得するホアン・ソトの再契約について書いている記者が多い。
ニューヨーク・タイムズの運動部門、「ジ・アスレティック」のクリス・カーシュナー、ブレンダン・クーティの両記者は、ソトが再契約についてどう考えているか訊いていて、ソトはこう答えている。
「ヤンキースが自分と契約したいのかどうか、分かってないんだよ」
「自分としては30球団すべてにオープンな状態で接しようと思っている」