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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
清原正吾はなぜ“指名見送り”だったのか? あるスカウトの本音「本当に力のあるバッターだったら…」 2024年《運命のドラフト会議》その後の物語
posted2024/11/05 06:02
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Shigeki Yamamoto
ドラフト会議から3日後、高校野球・関東大会の保土ケ谷球場(横浜市)。
第1試合の東海大相模高VS山梨学院高のスタンドには、プロ野球スカウトたちも大勢やって来ていた。
東海大相模高には、この夏、超大型左腕・藤田琉生(3年・日本ハム2位指名)と共に甲子園にチームを進めた剛腕・福田拓翔(2年・184cm78kg・右投右打)や、高校生ばなれした長打力やバッティングセンスを持つといわれる金本貫汰内野手(2年・181cm83kg・右投左打)や中村龍之介外野手(2年・184cm78kg・左投左打)がいる。
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ドラフトが終わったばかりなのに、この時期のスカウトたちの仕事は、「今年」と「来年」の股がけとなって、相変わらず忙しい。指名した選手へのアプローチと、来年のドラフトに向けての準備。スカウトたちがホッとひと息つけるのは、指名選手の契約と発表が終わり、自身の来季の契約が終わる12月なかばからの1カ月ほどがせいぜいだと聞いている。
「どうして指名されなかった?」憶測は耳に入るが…
「あの選手、どうして指名されなかったんですか?」
逆に、スカウトのかたから訊かれてしまった。
憶測はいろいろ耳に入ってくるが、真相がわからないから、「すみません……わかりません」と答えるしかない。
「そもそもマスコミの報道ほどこちら側の評価が高くないってことは、よくありますよ」
あるスカウトの見立てだ。
「マスコミは、一度の<最速150キロ>や、一世一代みたいなプレーを取り上げて、すぐ<プロ注>にするでしょ。つまり、その選手の<点>しか見ないで、大きく取り上げて持ち上げる。
でも、自分たちは、その選手を何年も見ていて、<線>で評価を決める。すごいことをやった後の、その選手の故障とか不調とか、マスコミは知らないでしょ、あんまり」