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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
清原正吾はなぜ“指名見送り”だったのか? あるスカウトの本音「本当に力のあるバッターだったら…」 2024年《運命のドラフト会議》その後の物語
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/11/05 06:02
注目を集めた清原正吾選手も最後まで名前が呼ばれることはなかった。スカウトが考えるその理由の一端は…?
身体の状況、順位縛り…中継だけでは「見えない要素」も
昨年、つまり「2023ドラフト」の影響も大きいという。上位2位までに指名された19人の投手の中で、1年目早々にトミージョン手術など、肩、ヒジの手術で戦列を離脱したままの快腕・剛腕が5人もいる。
「ほんとのところ、全力で野球ができる体なのかというのを『しっかり確認しろ!』と、会社からもいわれます。それに、2位縛り、3位縛りという社会人チームからの制約も最近はすごく増えてきた。そんなこと発表されないですから、『ええっ、あの選手、どうして』ってことになる。
これ、私たちからすると、逆に『ええっ?』なんですよ。だいたい『4位ぐらいかなぁ』という選手が2位縛り、『5位か下位指名だろ』という選手が3位縛り。私たちの評価とは、おおむね2巡差ぐらい。それじゃあ、指名されませんよ」
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意外な指名見送りの理由には、こんなこともあるという。
「今は立派に選手をやっているけど、実のところ人間性はどうなのか。高校の時どうだったのか、中学の時どうだったのか。コンプライアンスっていうんですかね。一選手として実力と同等に、野球というチームスポーツに対する適性や、職業人としての人格なんかも評価の対象になってきていますから」
ならば、慶應義塾大・清原正吾指名見送りはどうだったのか?
「お父さんもPL(学園)の3年生のドラフトで、巨人だと思っていたのが西武で涙流したらしいので、気の毒だとは思います。でも、実力的に今じゃないと思います。
確かに慶應大学の4年間で飛躍的に成長したのは間違いないですけど、それでもチームは5位(今秋)でしょ。本当に力のあるバッターだったら、もう少しチームを勝たせてもいい。いずれにしても、今は時期尚早っていうのがプロ側全体の見方だったんじゃないですか」
帰路のバスで、國學院大學・鳥山泰孝監督と一緒になった。