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「最初から右投手は竹田祐選手という評価」DeNAスカウト部長が明かすドラフト全戦略…「優勝“し続ける”」ための“第3世代スカウティング”とは
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/28 11:13
“3度目の正直”でドラフト1位指名された竹田祐(左)を早速訪問したDeNA・三浦大輔監督
ドラフト翌日の指名あいさつで長谷川氏は竹田と会い、次のことを伝えたという。
「先発をやるとしても143試合中、投げるのは25〜26試合ぐらい。そのすべてで勝ちに行くのは当然として、自分が投げない120試合でチームをどのようにして勝たせるのか、そこにぜひ向き合って欲しい、と。彼はそういう素質を持っていると思いますし、その使命を背負うべき選手だと考えています」
チームの士気を高め、けん引できる存在。実力はもちろん、そこをも見極めた1巡目指名だったというわけだ。
本格派右腕の篠木、走攻守とも高水準な加藤
そして2巡目で指名されたのが篠木健太郎(法大)だ。東京六大学を代表する本格派右腕であり、最速157キロのストレートを軸にキレの良いスライダー、フォークを武器とする奪三振能力の高い投手である。
「先発として評価をしていますが、リリーフでもいけるタイプ。フィールディングも軽快にこなし、バッティングも良く、野球センスを感じさせる選手です。昨年までは視察をしていると、投げるたびに振り返ってスピードガンを確認する姿があって、まだまだ成長の余地があるなと感じていたのですが、今年の春からは球速を抑えながらも落ち着いたピッチングができるようになったのが印象的です。そこは大島公一監督や今年からピッチングコーチも務めている髙村祐助監督の指導のおかげだと感じています。また常にチームの勝利に対して貪欲で、毎試合必死にプレーしている姿も非常に評価しています」
3巡目指名は、東洋大に在籍しながら独立リーグでプレーした加藤響(四国IL・徳島)。右打ちのショートで、高い守備力と隙のない走塁、力強いスイングからの長打力が魅力の選手だ。四国ILではベストナインにも選出されている。
「チーム編成上、右打ちの内野手というのはポイントだったので、彼のポテンシャルの高さに惹かれました。また、一時期野球から気持ちが離れたようなのですが、仲間たちの助けもあり、自分だけではなく、チームが勝つために野球をやるということに気づけたという成長を見せたのも評価した部分ですね。また彼は厚木出身で、少年時代はベイスターズジュニアに所属していたこともあり、そんな切っても切れない縁も感じています」