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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「群を抜く存在になった」“世界戦3連続KO”中谷潤人の次の相手は? 元世界王者・飯田覚士が語る井上尚弥との“決定的な違い”「まだ機は熟していない」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2024/10/19 17:25
タイの難敵ペッチ・ソー・チットパッタナに圧巻の内容で6回TKO勝利をおさめ2度目の防衛に成功したWBC世界スーパーバンタム級王者の中谷潤人。元世界王者の飯田覚士がその強さの秘密に迫った
これでバンタム級に上げて世界戦3戦連続のKO勝利。ボディーショット1発で終わらせた前回のビンセント・アストロラビオ戦に引けを取らない圧巻のKO劇であった。
次戦は井上拓真との王座統一戦が有力視されていたものの、13日のメーンで井上が堤聖也に0-3判定で敗れてWBA王座から陥落。中谷は試合後、リング上のインタビューで「チャンピオン、誰でも。Who is next?っていう感じです」と統一戦を希望したが、先行きは不透明な状況だと言える。
井上尚弥との対戦「まだ機は熟していない」
中谷の目標はあくまでパウンド・フォー・パウンド(体重差がない仮定での最強ランキング)のトップにのぼり詰めていくこと。ならば階級を上げて、憧れの存在でもある4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥との対戦実現に向けて動き出していく可能性もないとは言い切れない。モンスターとネクストモンスターの邂逅は、ボクシングファンが期待する夢のカードでもある。しかしながら飯田氏は「お互いに一番いいタイミングで戦うとしたら、まだ機は熟していない」と述べる。
その理由をこう説明する。
「尚弥選手はバンタム級で戦っていくなかで(体が)ギリギリまでいっぱいいっぱいになったことでスーパーバンタム級に上げています。だからすぐに上の階級でも順応できた。既に今はだいぶフェザー級に近づいている段階だと見ています。一方、中谷選手はもう減量がきつくなっているかもしれないが、いっぱいいっぱいではない。きついけど、上げざるを得ないという状況ではないのだと考えると、戦うタイミングとしてはまだベストじゃないというのが僕の考えです。尚弥選手がフェザー級でとどまることになれば、長身の中谷選手にしてもそう時間が掛からないうちにフェザー級まで行くはず。上げざるを得ない状況でフェザー級まで持っていければ、そこで待ち受ける尚弥選手との戦いが最もふさわしいのではないでしょうか」
中谷と井上の“共通点”と“決定的な違い”
スーパーバンタム級でも圧倒的な力の差を見せつけている井上に対し、恐ろしいほど成長スピードを上げている中谷。両者に共通する部分を、飯田はどのように見ているのだろうか。