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核心にシュートを!BACK NUMBER
「給与水準ではすでにNBAに次ぐレベルだ」“W杯王者”ドイツ人記者も驚くBリーグの進化…渡邊雄太だけじゃない“世界基準”の選手が来日するワケ
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/10 18:55
日本代表対決となった千葉ジェッツの渡邊雄太と宇都宮ブレックスの比江島慎のマッチアップ。元NBAプレーヤーが参戦したBリーグの現在地は?
Bリーグの場合、アウェーゲームであっても愛するチームの背中を押したいブースターが、アウェーチームのファンクラブの会員になり、ファンクラブ会員向けの先行販売で良い席やプラチナチケットを押さえることがよくある。
1人のブースターが推しチーム以外に、4~5チームのファンクラブに入っているというケースも少なくない。そのカルチャーもまた、リーグの経済規模を押し上げている。彼らの存在はリーグになくてはならないものなのだ。
今回の開幕戦では、第4Qの残り3.7秒で、昨シーズンのBリーグMVPであるブレックスのD.J・ニュービルが3Pシュートを決めて、同点に追いつき延長戦へ。それでも最後はホームのジェッツが91-84で逃げ切ったのだった。
渡邊のアクションで感じたBリーグの「現在地」
大きな期待と注目を集めた日本代表の渡邊のアクションで興味深かったのは、第2Qの残り4分33秒の場面。スティールを狙ってきた相手選手の手が、ジェッツの原修太の顔に当たった直後のことだ。渡邊は瞬時に審判に駆け寄り、アンスポーツマンライクの適応要件にあたるプレーだと猛アピールした。
あの必死のリアクションについて、渡邊は試合後に振り返った。
「プレー中だったので、熱くなっていた部分もあって。ちょっとオーバーリアクトしちゃった部分もあるかなとは思うんですけどね」
渡邊はそういって、少し照れくさそうな表情を浮かべた。どんな試合でも全力でプレーするのは彼の良さだ。そして、チームメイトが良いプレーをすれば褒めたたえ、ファールを受けて倒れれば、すぐに手を差し伸べる。
ただ、あの場面は6シーズンもNBAで戦ってきた渡邊でさえ、余裕をもって戦うことはできないという、Bリーグのレベルの高さを感じさせるものだった。様々な要因が重なったとはいえ、渡邊がNBAからBリーグ入りを決めたことで、ライト層も日本バスケ界に関心を寄せている。
では、9シーズン目を迎えたBリーグのレベルは、世界的に見るとどれくらいのものなのか。