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核心にシュートを!BACK NUMBER
パリ五輪“あの”「誤審疑惑」を糧に…バスケ日本代表・富樫勇樹がBリーグ開幕戦で見せた“超判断”の価値「3Pを決められても『まだ同点だ』と…」
posted2024/10/10 18:56
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
(L)JMPA、(R)Kiichi Matsumoto
もしもう一度、パリ五輪フランス戦の最終盤のような場面を迎えたとしたら? 今度は日本代表が勝利を掴めるはず。そんな風に思わせてくれるシーンが、Bリーグ開幕戦で見られた。
その開幕戦の1シーンを語る前に、今夏の苦い一戦について振り返ろう。
日本はもちろん世界中のスポーツファンが、バスケ界に新たな歴史が作られることを期待していたパリ五輪のフランス戦。第4Qの最終盤のことだった。
残り16.4秒。河村勇輝が相手のファウルを受け、2本のフリースローを冷静に決めた。点差は4点。そこでフランス代表がタイムアウトをとった。
残り10.2秒。フランスのマシュー・ストラゼルが3Pシュートを放とうとしたところで、厳しくチェックに行った河村のプレーがファウルと判定された。ストラゼルはその3Pシュートを決めただけではなく、ファウルによって得たフリースローも沈め、一気に同点に。試合は延長戦にもつれ込み、最後はフランスに軍配が上がった。
あの“誤審騒動”で得た教訓は…?
当時、日本では審判の微妙な判定の是非ばかりが語られていた。だが、あの判定の6.2秒前のタイムアウトのときに、日本ベンチ全体でどこまで意思統一できていたのかは疑問が残る。
「3Pシュートを相手が狙ってきたら、ファウルを犯すな」
「ファウルがとられそうなアクションすら、絶対にさけるんだ」
そうした声掛け自体はあったと報じられている。だが、ただ言葉に出すだけではなく、それを徹底しておかなければいけなかった。果たして、あのときの日本にそれが出来ていたのだろうか。わずか12カ国しか出場を許されない最高峰の大会で、リードをしているチームでさえ極度のプレッシャーがかかる状況だ。冷静になりきれていなかった部分は、本当になかったのか。
翻って、10月5日に行なわれた千葉ジェッツと宇都宮ブレックスによる開幕戦である。