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大谷翔平の本拠地「同じロスでも…エンゼルスとドジャースは全く違う」 日本人が知らない“ファン層の違い”「お行儀は良いとは言えないが…」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKoji Sasada
posted2024/10/09 06:00
ハーモッサビーチに描かれたドジャース大谷翔平の壁画
エンゼルスタジアムに訪れたことのある方はすでにお気付きかもしれない。テレビ観戦でも勘のいい方ならば感じているかもしれないが、エンゼルスタジアムを訪れる地元ファンは圧倒的に白人が多い。これはオレンジ・カウンティの住民層による部分がある。
オレンジ・カウンティは全米屈指の治安の良い街として知られ、住民層はお金持ちの白人が多い。細かいことは気にせず、おおらか、自分たちの生活を大切にする『ゴーイング・マイ・ウエイ』族はゆとりがある故であろうか。ある意味で品の良さを感じる。だから『熱狂』とは違った空気が球場には流れている。
ブーイングも少ないかわりにファンの大声援が選手を後押しする熱量は他球場ほどではない。こういった話は過去にエンゼルスでプレーした選手からも聞いたことがある。
ドジャースは多様な民族の街、熱狂的なファン
その一方でドジャースはどうか。多種多様な民族が集まる移民の街、それがロサンゼルス・カウンティの大きな特徴である。熱きファンの代表とも言えるヒスパニック系の占める割合も多い。お行儀は決していい方とは言えないが、その反面、『熱狂』という点では西海岸屈指の熱さを誇る。大谷翔平のドジャース入団後にも早速現れた。
入団会見からわずか3日後、ロサンゼルスのダウンタウンには『SHO TIME』の文字とともにドジャースの背番号17のユニフォームに身を包んだ大谷の壁画が突如現れた。発案したのは当地でスポーツショップ「PRO CIETY」を経営するエリック・パーク氏。彼はドジャースファンを代表して語った。
「ロサンゼルスでは誰か重要な人物がいれば、誰かが必ずその人のために壁画を描く。例えば、(NBA・レイカーズの)故コービー・ブライアントだ。オオタニはまだドジャースの選手として1試合もプレーしていないが、ドジャースがこれまでに契約したフリーエージェントで最大級だ。だからこの街は本当に興奮している。私たちはショウヘイ・オオタニに敬意を表し、彼に感謝の気持ちを伝えたかった。彼がワールドシリーズ進出を手助けしてくれることを期待している」