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「いまの西武にとても合う気がする」ベテラン野球記者が “ドラフト1位候補”154kmサウスポーにそう感じたワケは?…本人が語った「ある言葉」
posted2024/10/03 06:02
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
今年もドラフト会議の季節が近づいてきた。注目選手のひとりに挙がるのが、関西大のエースで最速154kmを誇るサウスポー・金丸夢斗だ。春には侍ジャパンにも選出されるなど、競合も予想されるドラ1候補だが、ベテラン記者が「埼玉西武に合いそう…」と感じた理由とは?《全2回の1回目/つづきを読む》
今年5月11日、阪神甲子園球場、春の関西学生野球リーグ戦。
関西学院大を相手に、関西大・金丸夢斗投手(177cm77kg・左投左打・神港橘高)が、いつものように快調に投げ進めていく。
言わずと知れた学生球界No.1のサウスポー。左腕特有のぎこちなさがカケラも見えないボディーバランス抜群の投球フォームから、アベレージ145キロ前後の速球に複数の変化球を交えながら、コントロールも両サイドにピシャピシャ。だから、投げるたびに山のような三振を奪って、得点を許さない。ここまでの最速は154キロだという。
学生球界No.1左腕の能力
難攻不落の投球内容で、この日もアウトを重ねていく。
そこまで春のリーグ戦35イニング無四球。なのに、いきなり初回に四球を与えたが、最後の「ボール」はどう見てもストライクコース。それだって、考えてみればしょうがない。腕を振る瞬間まで両肩のラインを崩さないフォームだから、リリースポイントも見にくく、それでいて150キロ近いスピードなのだから、正直球筋も「見えない……」がほんとのところだろう。
球審が正面から見ても捉えきれないのだ。打者が横目で見ながら、重さと長さのあるバットで捉えようとしても、そりゃあミートするのがやっとのことだろう。
「試合前半のランナーのいない場面では、いい意味で適当に投げながら、必要以上に力まないように、熱くならないように。そう自分に言い聞かせながら投げるようにしています」