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小林邦昭はなぜ“タイガーのマスク”を剝いだのか? アンチからは嫌がらせも、プロレスラーに愛されて…佐山聡と「最高のライバル関係」の真実 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph by東京スポーツ新聞社

posted2024/09/14 11:03

小林邦昭はなぜ“タイガーのマスク”を剝いだのか? アンチからは嫌がらせも、プロレスラーに愛されて…佐山聡と「最高のライバル関係」の真実<Number Web> photograph by 東京スポーツ新聞社

初代タイガーマスクの覆面を引き裂く小林邦昭

 この禁断のマスク剥ぎによって、小林はアンチヒーローとして大ブレイク。それと同時にタイガーマスクもまた小林との抗争によって、これまでとは違う新たな魅力を見せ始めた。

「僕との抗争が始まるまで、タイガーマスクはメキシコのマスクマンとの対戦が多かったんだよね。そうなるとどうしても飛んだり跳ねたりのルチャ・リブレの試合になる。でも佐山は本来、格闘技色の強いシビアな闘いを求めていたはずだから、それは本意じゃなかったと思う。だから若手の頃から新日本のストロングスタイルでやり合っていた僕っていうのは、佐山にとっても燃えられる相手だったんじゃないかな」

今も色褪せない「最高のライバル関係」

 デビュー以来タイガーマスクは、毎週次々と現われる敵を華麗な技で倒していく完全無欠のヒーロー。ある意味、子供向けのヒーロー番組の主人公と同じでもあった。しかし、小林という宿敵を得たタイガーは、破られたボロボロのマスク姿で怒りの感情をムキ出しにしながらケンカ腰で闘う、それまでとは違うスタイルに変化。生身の人間としての魅力を見せはじめ、子供だけでなく、高校生・大学生や大人のファンも獲得していく。こうしてタイガー人気はさらに成熟し、絶頂期を迎えたのだ。

「何がすごいって、僕とタイガーマスクの抗争はたった10カ月間、シングルマッチは6試合しかやってないんですよ。それでも僕はいまだに“虎ハンター”と呼ばれるんだから、いかにインパクトがあったかということですよね」

 小林邦昭は、自分との抗争を受け入れてくれたタイガーマスクこと佐山聡に対し、こう感謝の言葉を述べている。

「だからタイガーマスクは自分のレスラー人生のすべてを決定付けた恩人。そしてマスクを脱いだ佐山聡は、僕にとっていまでもかけがえのない親友ですね」

 そして小林の逝去が報じられた後、佐山も主宰するストロングスタイルプロレスを通じてこうコメントを残している。

「青春を共有した戦友 最高のライバル 思い出は沢山沢山あります。小林さん有難う御座いました」(抜粋)

 今も色褪せない最高のライバル関係だったタイガーマスクと小林邦昭の抗争。あの熱き日々の記憶は、これからもずっとファンの心に残り続けるだろう。

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