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格闘技PRESSBACK NUMBER
平本蓮の“ドーピング疑惑”医師が「信じられない」と絶句した“ある行為”…検査結果はシロでも残る疑念「絶対飲んでると思われても仕方ない」
posted2024/09/13 17:00
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
検査結果が陰性でも「一件落着」ではない理由
検査結果は“シロ”。9月5日、リングドクター3名とともに都内の会見場に現れたRIZINの榊原信行CEOは、「検査の結果、平本蓮、朝倉未来、両選手ともにドーピング検査は陰性だった」と発表した。
その3日前に弁護士同席のもと行なった会見で、平本は「やるわけがない」とドーピング疑惑を否定していた。RIZINが改めて発表した検査結果によって、平本の潔白は証明されたことになる。これにて一件落着としたいところだったが、1時間以上に及んだ会見が終わっても、会場にはなんともいえぬ重苦しい空気が漂っていた。
この重苦しさの正体は何なのか。それを捜す道程は、日本のアンチ・ドーピング事情を浮き彫りにすることにつながっている。
RIZINのタイトルマッチは必ずドーピング検査をしなければならないルールがある。今回の一戦には「ラストマン・スタンディング」という「特別な意味を持つ試合に授与される」王座が懸けられていたので、そのルールを遵守したことになる。会見に出席したRIZIN医療部・諫山和男部長はチャンピオンシップの他、ドクターの判断で任意に選手の尿を採取し、検査機関に送っていることを明かした。
「採尿ルームで検査員が立ち会いのもとに尿を採取しますが、もちろん検査員が見ているまえでカップに放尿してもらいます」
平本にドーピングの疑いがかけられて以来、SNSではさまざまな意見が飛び交った。エビデンスがハッキリしないものも多数あったが、仮に“クロ”であれば団体の屋台骨をも揺るがすスキャンダルになることは明らかだった。
朝倉未来vs.平本蓮は、さいたまスーパーアリーナを最大席数のスタジアムバージョン(4万8000人超)に設定するほど話題を呼んだゴールデンカードだったからだ。朝倉が「負けたら引退」と公言していた経緯も踏まえて、榊原CEOは感情を隠すことなく訴えた。
「4万8000人の熱を作るのに、日本の格闘技界は15年かかったんです。朝倉未来選手に申し訳なく思っています」