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「ドジャースよりヤンキースが上」米記者がズバリ…大谷翔平の世界一は可能か? じつは厳しい米現地のドジャース評「フィリーズにいる“怪物”」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/31 06:00
大谷翔平が所属するドジャース。このまま世界一になれるのか?
「オオタニ自身も、ポストシーズンでのそんな活躍を思い描いているだろうし、チームもそれを期待しているだろう。だがまだ一度もポストシーズンを経験したことがないため、その点では未知数。昨年のWBCでは劇的な活躍をしているが、ポストシーズンではどうなるか非常に興味深い」
「選手層はヤンキースが上」
ドジャースの戦力面で気になる点は何だろう。今季は大谷や山本由伸投手、タイラー・グラスノー投手、テオスカー・ヘルナンデス外野手ら新戦力を獲得。「ファングラフス」の今年8月時点のチーム総年俸ランキングによると、ドジャースの総年俸はメジャー30球団中メッツに続いて2番目に高額の3億2400万ドル。戦力補強には相当な資金を投入しているが……。
「ドジャースの打線上位に座るオオタニ、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンの3トップはメジャーでも最強だ。だが打線全体をみるとどうか。ワールドシリーズでドジャースとヤンキースの対戦を期待する声は多いが、この両チームの打線を比べると層の厚さはヤンキースが上だと思う」
ヤンキースには昨オフ、フアン・ソトがトレードで加入。2020年に首位打者に輝き打撃のあらゆる指標でメジャートップにランクされるソトは、1度のMVPと2度の本塁打王に輝き今季も本塁打王争いを独走しているアーロン・ジャッジとともに打線の要となった。
「今季のヤンキースはソトが2番、ジャッジが3番に座っている。その後ろには通算300本塁打以上を放つアンソニー・リゾと本塁打王に2度輝いたジアンカルロ・スタントンもいる。7月のトレード期限前にはパワーとスピードを兼ね備えたジャズ・チザムも加わった。これだけの打者に囲まれているジャッジは、打てる球をかなり多く投げてもらえる。投手にしてみればソトを出塁させた後はジャッジと勝負を避けるのは難しくなるし、ジャッジを出した場合は後ろの打者に大きなダメージをくらうかもしれないと思うと、かなりプレッシャーのかかる勝負になる。ソトの加入はジャッジにとって大きなプラスになっているが、リゾやスタントンもジャッジを守るという点で非常に大きな存在だ」
大谷を守るという点では、ドジャースにもベッツとフリーマンというMVP受賞経験者2人がいる。ミラー氏の本音評がつづく――。
〈続く〉