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「ドジャースよりヤンキースが上」米記者がズバリ…大谷翔平の世界一は可能か? じつは厳しい米現地のドジャース評「フィリーズにいる“怪物”」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/31 06:00
大谷翔平が所属するドジャース。このまま世界一になれるのか?
「フィリーズはブライス・ハーパーのチーム。投手陣もいいが、打線には勝負強い打者がそろい、中でもハーパーは“ここぞ”という場面で試合を決める一打を放ち、カリスマ性を高めてきた。キャリアを通して得点圏打率は3割近くを打っているが、今季はそれがさらにアップし、3割5分近くになっている」
ハーパーと大谷…比較
ハーパーといえば、7月のオールスターでは大谷もリスペクトを示していた。同じナ・リーグのチームで一緒に時間を過ごし「どういう練習してるのかなと見たりして、勉強になりました」と話していた。
「オオタニとハーパーは似ているところがある。米国では人生のすべてを野球に捧げているような野球の虫のことを『baseball rats(ベースボール・ラッツ=野球ねずみ)』と呼んでいるのだが、ハーパーもオオタニもまさにベースボール・ラッツといえる選手だ。試合前に徹底的に準備をし、相手投手をよく研究し、それぞれの投手に対する独自の攻略法をしっかり持っている。相手攻略のためにどんなわずかな情報でも知りたがり、知識レベルが非常に深い。ハーパーとオオタニの選球眼、ストライクゾーンの見極め能力もかなり似ていると思う」
2人の野球人生も、似た道をたどっている。若い頃から注目されてきたところがそうだとミラー氏は指摘する。
「オオタニも高校時代から注目された選手だが、ハーパーもそう。彼はまだ16歳だったときに米人気専門誌『スポーツ・イラストレイテッド』の表紙を飾ったほどアマチュア時代から注目を集め、プロ入りしてからもスーパースターであり続けた。それでいて彼は、誰よりもチームファーストで動く選手でもある。デビューから12年間ほぼ外野手としてプレーしてきたが、今季から一塁手に転向している。球団からチーム編成上の都合で転向を打診され、快く引き受けた。チームのために戦力強化を最優先に考えるリーダーシップを持った選手の存在は、球団にとって貴重だ。しかも勝負強いのだから、彼のような選手のいるチームはポストシーズンで強い」
実際にハーパーは、これまでナショナルズとフィリーズでポストシーズン49試合に出場し16本塁打、31打点を記録。2022年のリーグ優勝決定シリーズではシリーズMVPに輝く活躍をしている。