誹謗中傷に悩む東野を救った渡辺の言葉「いつもありがとう」

　東京五輪で銅メダルを獲得した後、東野は誹謗中傷に悩まされていたことがある。毎日のようにパートナーへの思いやりがない等のメッセージやコメントが届いていること、それに苦しんでいることをSNSで明かした。すると渡辺はSNSに綴った。

「ダサいことやめようぜ。先輩は最高だぜ。言ってる奴試合映像見てねーだろ。ちゃんと見てみろよ。足引っ張ってんの俺だぜ。俺、頑張るぜ。いつもありがとう先輩。」

パリ五輪の表彰式にて。互いを思いやる渡辺と東野だからこそ、歩んでこれた道のりだった　©Asami Enomoto/JMPA

　最後の大会を終えて、2人はこう語っている。

「ここまでやってこられたのは、本当に勇大くんのおかげだと思っているので、もう勇大くんには感謝の気持ちしかないです」（東野）

「もう、ありがとうしかないですね。ここまで長くやってこられたのは、僕らだからだと思います。辛いことの方が圧倒的に多い競技人生だと思いますけど、一瞬の喜び、一瞬の優勝のために2人で支え合いながらできました。2人だからできたことだと思います」（渡辺）

　この2人だからこそ描けた軌跡は終点を迎えた。それぞれの道でスタートを切る2人は、2人で築いた時間を糧としながら、歩んでいく。