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“レッドブルが買収”大宮アルディージャ「いまのチーム名では最後のシーズンになるかも」選手の本音…J3首位独走「この名前で優勝したい」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2024/08/24 11:02
8月6日に発表されたレッドブルによる大宮アルディージャの買収。J3で首位を走るチームの「いま」に迫った
「ここまで簡単な試合はひとつもなかったし、シーズンが終盤へ向かっていくこれからは、もっと難しくなる。今までどおりではなく今まで以上に、強度を上げて、自分たちからアクションを起こしていくような試合をしていきたい。相手以上のものを出さないと、勝てるものも勝てないですから」
チームの歩みにも手ごたえをつかんでいる。首位を独走していても、油断や慢心が忍び寄ることはない。「変な余裕を持つとかいうことは、このチームにはない」と話す。
「いまのチーム名では最後のシーズンになるかも」
キャプテンの石川も、「いまこの状況に満足している選手はひとりもいない」と頷く。力のこもった表情で続ける。
「シーズン始まってからずっと、僕たちは這い上がっている途中です。試合に出ていない選手がホントに締まった雰囲気で練習をしてくれるので、チームとして積み重なっている感じがある。残り14試合も、ブレずにやっていかなきゃいけないです」
レッドブルへの株式譲渡についても、チームは冷静に受け止めている。それもまたモチベーションのひとつとして、選手たちは目の前の一戦に集中しているのだ。13年に大宮でプロ入りし、2度の移籍を挟んで9シーズン在籍する富山貴光が言う。
「僕たちが何かできることではないですし、いまのチーム名では最後のシーズンになるかもしれないので、この名前でJ3優勝、J2復帰を果たしたい。色々な人の思いがあるでしょうから、その思いに結果で応えられるように」
長澤監督は次節の長野パルセイロ戦を重要視している。
「中断の前後の試合が大事になるのはリーグ戦の鉄則で、再開初戦の金沢戦に勝ったことで、中断期間中に取り組んできたことをポジティブに受け止められる。そのうえで次の長野戦に勝つことで、自分たちのやってきたことが確信に変わっていく」
変わるのはクラブだけではない。
チームも確実に変わっている。