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「あやしい学校ではないですよ」京都国際スカウトが現地記者に明かした苦悩「いろいろあるっス」優秀な中学生にどう声をかけたのか? 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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posted2024/08/23 06:00

「あやしい学校ではないですよ」京都国際スカウトが現地記者に明かした苦悩「いろいろあるっス」優秀な中学生にどう声をかけたのか?<Number Web> photograph by Kei Nakamura

11年前に京都国際高校に赴任した岩淵雄太さん。生徒募集の役割を担っている

 岩淵が赴任したのは11年前のことだ。最初から選手勧誘を任されたが「大変でしかなかった」と振り返る。

 現在、京都国際は日韓両国から援助を受け、両国の卒業証明書を授与できる。韓国語や韓国の歴史を学ぶ授業があり、修学旅行は韓国を訪れる。そして、何よりも同校のカラーを特徴付けているのは韓国語の校歌だろう。岩淵が言う。

「とにかく、まずはネガティブに見られるところの説明から入りました。韓国の歴史の授業はあるけど、反日教育をしているわけではない。うちの理事長は在日ですけど、そこまで偏った人ではないので。校歌も歌いたくなかったら歌わなくていいよ、と。私は岩淵という姓なので大抵の人は日本人だとわかってくれる。その僕が11年間務めて、こうして学校のために尽力している。そのことがあやしい学校ではないですよということの何よりの証明になりませんか、と」

「野球をするためにここに来たんで」

 かつての野球部は韓国籍の選手が大半を占めていた。野球部寮の食堂には食べ放題のキムチが常時、置いてあったという。しかし今はベンチ入りメンバーの中で韓国籍を持つ選手は「1番・レフト」の金本祐伍、1人だけだ。ちなみに自分のルーツを知ったのは高校に入ってからだったという。金本はあっけらかんと語る。

「韓国語、あんまりわからないんで、ハーフぐらいなのかなって思ってたんです。そうしたら、バチバチでした。ああ、そうなんだ、って。僕は野球をするためにここに来たんで」

 京都国際の全校生徒数は138人。そのうち61人が野球部員で、ほとんどが日本人である。岩淵が話す。

【次ページ】 「どこの学校でも韓国籍の選手はいる」

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