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京都国際「なぜオリックスの応援歌を使用?」その理由に涙、関東一「爆音の“西部警察テーマ曲”」に驚き…現地で聴いた高校野球応援“ベスト5” 

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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posted2024/08/21 06:01

京都国際「なぜオリックスの応援歌を使用?」その理由に涙、関東一「爆音の“西部警察テーマ曲”」に驚き…現地で聴いた高校野球応援“ベスト5”<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

ブラバン研究家が選ぶ…今夏の甲子園「応援ベスト5」

 吹奏楽部はコンクールや行事などが重なり、準々決勝の応援は泣く泣く諦めたが、京都外大西吹奏楽部と奈良学園大マーチングバンド部が友情応援に駆けつけ、準備期間わずか3日で青森山田の応援を完全再現。吹奏楽部顧問の高橋太郎氏も、「本校初のベスト4進出に大きな華を添えていただいたことを、本当にありがたく思っています」と深く感謝していた。

3)関東一「男子校時代のOBズラリ」

『ワンダフル・ガイズ』(『西部警察パート2』テーマ曲)

 甲子園に出場すると、大勢の吹奏楽部OBがアルプススタンドに駆けつけるのが風物詩ともなっている関東一。男子校時代の80年代から90年代半ばにかけて、吹奏楽コンクールの全国大会に東京代表として出場している。アルプスに当時の名残を残した元ブラバン少年たちがズラリと並び、現役高校生とともに『西部警察 パート2』のテーマ曲を爆音で吹き鳴らす姿は何ともいえぬ迫力がある。同時期に北海道代表として全国大会に出場していた筆者にとっては、あの頃一緒にがんばっていた仲間が、今はこうやってアルプススタンドで後輩たちを応援している姿を見るだけで感慨深く、何度聴いてもグッとくるのだ。

 応援の指揮をしていたのは、2013年卒業のOB・前田純弥氏。90年代のOBのことを「僕にとってのレジェンドです」といい、「毎回応援に駆けつけてくれてほんとうに頼もしい限りです」と感謝していた。

4)早稲田実業「吹奏楽応援曲の原点」

『コンバットマーチ』

 吹奏楽部OBを含め、130人の大所帯で演奏していた早稲田実業。基本的に早稲田大学の応援曲を使用している。六大学野球でおなじみの『大進撃』や『VIVA早稲田』など、同大のオリジナル曲を応援に使う学校は全国に多数存在。3回戦で対戦した大社も『VIVA早稲田』をチャンステーマとして使っていた。とりわけ早稲田大の応援をきっかけに広がった金字塔的存在の曲は『コンバットマーチ』だろう。1965年に早稲田大学応援部吹奏楽団の三木佑二郎氏が作詞・作曲した応援曲で、聴けば「ああ、知ってる!」となるはずだ。

【次ページ】 5)京都国際「選曲に隠された“深い理由”」

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