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「“あんな出来事”があったのに…なぜ勝てた?」松山英樹がアメリカ人記者の質問に“ステキな返答”…急造キャディと掴んだ米10勝目&賞金5億円 

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2024/08/20 06:00

「“あんな出来事”があったのに…なぜ勝てた?」松山英樹がアメリカ人記者の質問に“ステキな返答”…急造キャディと掴んだ米10勝目&賞金5億円<Number Web> photograph by Getty Images

銅メダルを獲得したパリ五輪後、まさかのトラブルに見舞われた松山英樹(32歳)。仲間に捧げる勝利でもあった

 だが、松山自身が何より手ごたえを感じているのは「10勝目ということ。そしてプレーオフで勝つことができて、本当にうれしい。このプレーオフで優勝することを、ずっと目標にしていたので、本当にうれしい」。

「10」という数字には、特別なものを感じるのだろう。「10年ひと昔」というフレーズもあるし、PGAツアーでは10年プレーし続ければ、きわめて高額だと噂されている年金支給の対象にもなる。

 すでに大金持ちの松山にとって、年金がどこまで興味の対象なのかは、なんとも言えないが、やっぱり「10年」や「10勝」は、彼にとっても一区切りなのだろう。

 2014年からPGAツアーに正式メンバーとして本格参戦を開始した松山のツアー歴は、今季で11年目を迎えている。そこで挙げた区切りの10勝目が「ずっと目標にしていた」というプレーオフでの初めての勝利となったことは、彼にとって格別の喜びなのだろう。

昨季は最終戦への連続出場がストップ

 昨年の今ごろの松山は、今ほど好調ではなく、故障にも苦しんでいた。

 プレーオフ第1戦のこの大会を終え、ぎりぎりでトップ50に滑り込み、第2戦のBMW選手権進出を決めた。しかし、せっかく出場できたというのに、松山は第2ラウンド開始前に背中痛で棄権することを自ら決めた。

 その瞬間、それまで9年連続で進出していた最終戦に、本格参戦10年目にして初めて行けなくなることが決まってしまった。

 その悔しさ、その忸怩たる想いは、いかばかりだったことか。しかし、その悔しさが糧になったからこそ、いやいや、その悔しさを糧にして「来年こそは」と頑張ってきたからこそ、今、彼は「すごい」歩みを見せつけている。

【次ページ】 「悔しさ」を糧にして歩んできた歴史

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