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「“あんな出来事”があったのに…なぜ勝てた?」松山英樹がアメリカ人記者の質問に“ステキな返答”…急造キャディと掴んだ米10勝目&賞金5億円
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2024/08/20 06:00
銅メダルを獲得したパリ五輪後、まさかのトラブルに見舞われた松山英樹(32歳)。仲間に捧げる勝利でもあった
この11年、松山を眺めてきた米メディアも、そんな彼の内面の成長を感じ取っていた様子である。
「ロンドンで、あんな出来事があったのに、なぜ今週、勝てたと思うか?」
優勝会見で米メディアからそんな質問を投げかけられた松山の返答が、素敵だった。
「それがあったから勝てたんじゃないかな。プラス思考で。それがあったから勝てた」
松山の懐に入った「宝の山」は、高額賞金や勝利数だけではなかったのだ。一緒にプレーオフを戦おうと意気込んでいたのに、泣く泣く帰国の途に就いた仲間のためにも、ここが自分の踏ん張りどころだという想いが、松山の胸の中には、あったに違いない。
そして、周囲の力も借りながら窮地を乗り越えたこと。ピンチをチャンスに変えたという意味での壮大な大逆転優勝をやってのけたこと。
その達成感と満足感こそは、彼の何よりの「宝」だった。
早藤キャディには、すでにビザとパスポートが再発行された様子で、松山はうれしそうに「(彼は)もう、今日、(BMW選手権が行われる)デンバーに入ってます」。
その朗報が、松山のさらなる「宝」となることは、言うまでもなく、今、松山の懐には、きらめく「宝」がザクザク流れ込んできている。