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「“あんな出来事”があったのに…なぜ勝てた?」松山英樹がアメリカ人記者の質問に“ステキな返答”…急造キャディと掴んだ米10勝目&賞金5億円
posted2024/08/20 06:00
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
PGAツアーのプレーオフ第1戦、フェデックス・セントジュード選手権を制し、通算10勝目を挙げた松山英樹。彼の懐にザクザク入る「宝の山」に多くの視線が向けられている。
プレーオフ・シリーズの賞金額はレギュラー大会のそれより格段に高く設定されており、今大会で松山が手にした優勝賞金は360万ドル(約5億4000万円)。
フェデックスカップのポイントも通常大会より高く設定されており、優勝した松山は2000ポイントをゲット。ランキングは8位から3位へ一気に浮上した。
この位置から第2戦のBMW選手権を迎え、好位置を維持して最終戦のツアー選手権に臨むことができれば、あらかじめスコアに差を付ける有利なスタートラインから初日をティオフすることができる。
そうなれば、優勝して年間王者を目指す最短ルートを歩むことができる。
そのツアー選手権で優勝すれば、年間王者に授けられる超破格のボーナス、2500万ドル(約36億5000万円)を手にすることになる。
もちろん、そうした筋書きは、今はまだ「if」のストーリーだが、このプレーオフ第1戦を制した松山がたくさんの「宝の山」をすでに懐に入れたことは事実。
そして、ここ最近の松山の動向を目にした人々は、松山なら「if」のストーリーを現実化するのではないかと感じ始めているに違いない。
まさかの窃盗被害に…
パリ五輪の最終日には、大混戦から抜け出し、大逆転で銅メダルを獲得した。
そのパリから米国へ戻る際の経由地ロンドンでは、ディナーを取った際に窃盗被害に遭い、早藤将太キャディと黒宮幹仁コーチは、ビザが付いたパスポートを盗まれて、そのまま日本へ帰国せざるを得なくなった。
そのため、今大会では久常涼をサポートする田淵大賀に急遽、キャディを依頼。そんな応急態勢だったが、それでも松山は初日から2位で好発進し、好調なゴルフを披露し続けた。
しかし、2位に5打差で迎えた最終日は、後半12番、14番でボギーを喫すると、15番ではラフに苦しんでダブルボギー。首位から陥落し、2位タイへ後退したが、松山は動じることなく、上がり2ホールを連続バーディーで締め括った。
一度は逆転されながら再逆転する展開で、見事、勝利を手に入れ、大金とビッグポイントを得た松山には、世界中から賞賛と羨望の「すごい!」の眼差しが向けられている。