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名将ズバリ「センチメートルの問題だ」日本女子バレー再建のカギはやっぱり“身長”? じつは崩壊寸前だったイタリアに学ぶ金メダルへの施策
posted2024/08/20 11:03
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AP/AFLO
メダル獲得を、と意気込んで臨んだパリ五輪で、バレーボール女子日本代表は予選プール敗退に終わった。
一方、日本と五輪直前のネーションズリーグ決勝で優勝を争ったイタリアは予選から決勝までの6試合に全勝し、見事、金メダルを獲得した。
6試合で失ったセットはわずか1つ、ポジション別の大会ベストプレーヤーにも5人が選出され、ほぼ完全制覇ともいえる圧勝劇だった。
イタリアを率いたフリオ・ベラスコ監督の語録に「勝者は祝い、敗れた者は問う」という一節がある。今日の敗北の理由を問い、探求することから明日の勝利は始まる、という意味だ。
日本とイタリアを分けた決定的な差はどこにあったのか。
じつはチーム崩壊の危機だった……
完勝したイタリアが際立っていたのは、指揮官と選手たちのメンタルマネージメントだ。初戦から決勝まで、彼女たちの集中力や金メダルへの執念が途切れることはなかった。
昨秋の時点で、実はイタリアがメダル獲得どころかチーム崩壊の危機にあったことはあまり語られていない。昨年9月の欧州選手権で当時の代表監督マッザンティとエースOPパオラ・エゴヌが起用法をめぐり衝突。大会招集から外されたベテラン選手たちも反抗姿勢を露わにし同監督は辞任。イタリアバレー界は紛糾した。