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「なめんな!とは怒りますよ」高校野球“まさかの番狂わせ”…大社高・石飛文太監督(42歳)が前日、取材記者に語った「こんな監督でよく勝てるなと…」

posted2024/08/18 17:04

 
「なめんな!とは怒りますよ」高校野球“まさかの番狂わせ”…大社高・石飛文太監督(42歳)が前日、取材記者に語った「こんな監督でよく勝てるなと…」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

石飛文太監督(42歳)。32年ぶりに大社高校を夏の甲子園出場に導いた

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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早稲田実業にサヨナラ勝ち。まさかの番狂わせを起こした大社高校。今夏32年ぶりに甲子園に出場した島根の公立高はなぜ勝てるのか? 前日練習から密着した記者が石飛文太監督に直撃した。【全2回の前編/後編も公開中】

◆◆◆

前日練習「記者・カメラマン6、7人だけ」

 野球ユニフォームは着ている。だが、身体は細く背丈は170cmほど。グラウンドを走り回る姿は、チームをサポートする卒業生にも見える。この人物が、28時間後に早稲田実業を下すことになる大社の監督、石飛文太(42歳)だ。

 8月16日15時過ぎ、大阪某所の練習場。記者、カメラマンは合わせて6、7人ほどしかいない、嵐の前の静けさだった。

 グラウンドに姿を現したタイミングで挨拶をする。すると本気とも冗談ともつかない独特のトーンで言った。

「もう、十分じゃないですか? 2勝で……」

 8月11日の初戦に優勝候補の一角だった報徳学園、前日の2回戦で創成館を下した。翌日には、早稲田実業戦が控えている。練習の強度を上げることは考えづらいが、その事情を考慮しても不思議である。甲子園ですでに2勝している高校、という雰囲気が伝わってこないのだ。「代打、どうだった? やっぱり緊張した?」。聞こえてくる選手とチーム関係者の会話も影響しているかもしれない。

そもそも甲子園出場もサプライズだった

 名刺交換を終えると石飛は、すぐさまグローブを持って外野へ駆けていく。バッティング練習の守備をするためである。選手たちに聞けば、よくある光景らしい。さらには、チームで最も声を出している人物も石飛である。そして、選手がいい当たりを見せれば「明日、代打あるぞ?」と褒め、ホームランを打てばそのボールを他の選手と同じように目で追う。あるいは1年生のバッティング練習時には、石飛のこんな声が飛ぶ。

「おいおい1年生……素振りしてるか? してないだろうな。若くないんだよ、球が。球に若さがない!」

 球が若い……の解釈に苦しんでいるのは私だけではなかった。目前を部員2人が小走りしながら話していた。

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