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“藤井聡太14歳の30連勝を阻んだ男”佐々木勇気とは何者か「NHK杯で藤井撃破→竜王戦に挑戦」「スポーツ青年…最近の趣味は盆栽や書道」 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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posted2024/08/18 17:00

“藤井聡太14歳の30連勝を阻んだ男”佐々木勇気とは何者か「NHK杯で藤井撃破→竜王戦に挑戦」「スポーツ青年…最近の趣味は盆栽や書道」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2017年竜王戦決勝トーナメントでの佐々木勇気五段。藤井聡太四段の連勝記録を「29」で止めた

 第2局(8月13日)の戦型は相掛かり。広瀬が2年前の竜王戦で藤井竜王に挑戦して勝った第5局と同じような展開となった。同じく実戦経験がある佐々木が新対策で応じると、広瀬は軽妙な手順で攻めた。その後、終盤では広瀬が優勢と思われたが、佐々木の勝負手に対応を誤ったようだ。最後は佐々木が即詰みに討ち取って勝った。

 2連勝で藤井竜王への挑戦権を得た佐々木は、終局後に感想を次のように語った。

「藤井竜王と持ち時間の長い対局(竜王戦七番勝負は各8時間)は久しぶり。自分の納得がいく将棋を指したい。藤井竜王にどうやって勝つかを考えてきたが、七番勝負に向けてそれにしっかり取り組みたい」

新しい研究手順をぶつけて藤井を追い込めば

 今期の竜王戦七番勝負第1局は、10月5日・6日に東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で行われる。

 21歳で八冠を制覇した藤井と、30歳でタイトル戦に初登場した佐々木の実績を比べれば、竜王戦では藤井の防衛が大方の予想だろう。ただ佐々木は前述したように、今年のNHK杯戦優勝とA級残留が大きな自信になっていて、きわめて充実した将棋を指している。新しい研究手順をぶつけて藤井を追い込めば、接戦になる可能性はありうる。

 なお佐々木は以前の気分転換はスポーツやサウナだったが、最近は盆栽や書道で落ち着いた「和」の時間を過ごすという。タイトル戦での和服姿も似合いそうだ。ちなみに扇子に揮毫する文言は、自分の名の一字を入れた「智勇」。知恵と勇気という意味で、日々の心がけにする中で——再び打倒・藤井に挑むことになる。

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