村上　バックハンドを打つときの違和感はあると思いますが、ダブルスでバックを振っていたらかえって平野の邪魔になるところもありますからね。得意のフォアハンドをどんどん使えばいい。3人で5試合を回す五輪で、一番大切なのがダブルス。私の考えでは、ここを最強にするのが理想です。“ケガの功名”ではないですが、現状ベストなオーダーだと思います。

「現状ベストなオーダーだと思います」 ©JMPA

涙の張本美和に早田ひなが近寄って…

――張本美和選手が“エースポジション”と言われる2戦目、4戦目のシングルスを任されています。2戦目ではドイツのアネット・カウフマン選手に0-3で敗れてしまいましたが、やはり緊張や重圧があったのでしょうか。

村上　結果的に0-3で負けましたが、張本の問題というよりも、ドイツのカウフマン選手がすばらしかったですね。リザーブから急きょエントリーになったんですが、すごく調子がよくて、「なぜこんな選手がレギュラーじゃないんだ」と思ったくらいです。まだ18歳で、ヨーロッパのジュニアで一番と言われていた選手です。決して張本が悪かったわけではないと思います。

――張本選手は4戦目で見事なストレート勝ち。最後のラブゲームは圧巻でした。試合後には涙する場面もありましたね。

村上　緊張がとけて涙が出てきたんでしょうね。もちろん個人戦でも緊張はありますが、勝った、負けたは究極的には自分の問題。チームを背負う団体戦はまた違います。試合後には早田と平野が張本にねぎらいの言葉をかけて……。同い年の2人が“お姉さん”としてすごくいいサポートをしていました。

各国のエースが登場する2戦目、4戦目。日本は16歳張本美和が任されている ©JMPA

準決勝ドイツ戦。4戦目を見事なストレート勝ちで下し、メダルを確定させた張本。試合後には思わず涙、涙… ©JMPA

――チーム最年少の16歳ということで注目を集めている張本選手ですが、普段はどんなキャラクターなんでしょうか。

村上　試合会場で接している範囲でしかわからないのですが、とても明るくて、誰にでも声をかける礼儀正しい女の子ですね。

――村上監督の視点から、現在の女子日本代表の関係性はどのように見えますか？

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