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野茂英雄のメジャー戦力外“5日前”「野茂の口からイチローが語られた」じつはイチローと最後の対戦があった…取材記者が見た“2人の姿”
posted2024/09/01 11:02
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
JIJI PRESS
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野茂英雄には大きな記録がかかっていた。2005年6月5日、シアトルでイチローと対戦した日のことだった。
200勝をかけて「4度目の対戦」
当時、野茂はデビルレイズ(現レイズ)に所属していた。日米通算200勝まであと1勝。しかし、その年は不振に苦しみ、4月19日にシーズン2勝目を挙げた後は6試合連続で勝ち星を得られず、ようやくシーズン3勝目、日米通算199勝目を挙げたのは5月26日のアスレチックス戦。だがその次の登板となった同じくアスレチックスとの試合では4回を7安打6失点で降板し黒星。マリナーズとの一戦は、悪かった前回から立て直しを図り節目の記録を達成できるか、注目される試合だった。筆者は当時、ニューヨークに住んでいたが、野茂の200勝がかかっているため米国大陸を横断してはるばるシアトルまで取材に行くようにとの指示を受け駆けつけたほどだった。
試合はデビルレイズが初回に1点を先制し、さらに2回に3点を追加して野茂は序盤から大きな援護をもらう有利な展開だった。イチローとの対戦は1回先頭の第1打席に左飛に打ち取ったが、3回1死一塁の第2打席では四球を与え、されに2連打を浴びて1点をかえされた。
試合を左右する対決が巡ってきたのは5回。先頭で入ったイチローに中前打を打たれ、2番ランディ・ウィンには右前打。3番エイドリアン・ベルトレは投ゴロに抑えたが、1死一、三塁で4番リッチー・セクソンに適時左前打を許しイチローがホームイン。さらに2死一、二塁から6番ブレット・ブーンに同点の適時二塁打を浴びた。6回のイチローの第4打席は左飛に抑えたが次のウィンに勝ち越しの適時二塁打を浴び、野茂は6回11安打5失点で勝敗は付かなかったがチームは5-6で逆転サヨナラ負け。2試合連続で200勝まであと1勝で足踏みとなった。
イチローが語った野茂のこと
4年前の野茂との初対戦のとき、イチローは「日本人の対決が、こんなに大きく報道されない日がくることを待っています」と話していたが、この日の対決は「今日は200勝がかかっていましたから(注目されても)いいんじゃないですか」と言った。4年ぶりに対峙した野茂の印象はこうだった。