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早田ひなは満身創痍、張本美和は初出場だからこそ…シングルスに泣いた平野美宇(24歳)が“団体金メダル”のカギを握る「納得の理由」
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/05 17:02
シングルスでは準々決勝で敗れた平野美宇だが、団体戦では彼女の活躍がカギを握る
相手の執拗なミドル攻めに対しミスが出た第2ゲームには、「後半に何本も打っていた回り込みフォアハンドを1本でも2本でも使って流れを変えるべきだった」と中澤コーチ。
そして、怒とうの3ゲーム連取で迎えた最終ゲームは2度のマッチポイントで放ったチキータレシーブの選択が悔やまれた。
チキータレシーブは平野の得意技のひとつ。攻める気持ちを前面に押し出した結果ではあるが、最初のマッチポイント10-9の場面、シンがチキータ封じを狙って出してきた下回転のサーブに対し平野のチキータレシーブがネットにかかった。
コーチ「あそこに平野の甘さが出た」
2度目のマッチポイント11-10の場面はチキータレシーブの軌道が山なりになり、これを相手がすかさず強打。サーブからの3球目攻撃を決めさせてしまった。
「あそこに平野の甘さが出た。チキータで行くなら1本で決める覚悟で打たないとダメ。あの選択は間違い」と厳しい指摘の中澤コーチ。
この点について平野自身も「チキータが甘くなってしまった。そこが自分の足りないところ」と試合後に反省した。
約1時間20分におよぶ激闘の疲れと競り負けた悔しさ、五輪シングルスのメダルに届かなかった無念が入り混じり、まだ気持ちの整理がついていなかったはずだ。それにもかかわらず団体戦に気持ちを切り替え向き合った駆け引きや戦術の見直しは必ず団体戦に生きてくる。