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早田ひなは満身創痍、張本美和は初出場だからこそ…シングルスに泣いた平野美宇(24歳)が“団体金メダル”のカギを握る「納得の理由」
posted2024/08/05 17:02
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph by
JIJI PRESS
パリ五輪卓球の女子シングルスで日本のエース早田ひなが、利き腕に故障を抱えながら銅メダルに輝いた。卓球競技のメダルはこれが第1号。
その一方で女子シングルスをベスト8で終えた平野美宇は、8月5日に始まる女子団体戦に向け着々と準備を進めていた。
1日に行われた女子シングルス準々決勝のシン・ユビン(韓国)戦は死闘と呼ぶに相応しい激戦だった。
とりわけ、7ゲームマッチで先に3ゲームを奪われてからゲームカウント3-3に追いついた平野の巻き返しは驚異的で、最終ゲームは勢いに乗る平野に流れがあった。
実際、先にマッチポイントを握ったのは平野。しかし、10-9と11-10の2度のマッチポイントを決め切れず、逆に2度のピンチを凌いだシンが11-13で勝利を決めた。
世界ランク8位のシンと同13位の平野は実力伯仲。その相手をあそこまで追い詰めながら、なぜ勝ち切れなかったのか。第4ゲーム以降のプレーをもっと早い段階で出すことはできなかったのか。
文字通り「あと1点に泣いた」平野は悔し涙に濡れながら会場を去った後すぐさま、ベンチに入った張成コーチとスタンドで戦況を見守った中澤鋭コーチとともに試合の映像を見返し課題の洗い出しに取りかかった。
悔やまれるマッチポイントのチキータレシーブ
めそめそしてはいられない。4日後には女子団体1回戦のポーランド戦が控えていた。
チーム平野はまず、シンに先制された第1ゲームについて、緩いボールで平野のペースを崩そうとしてきた相手に対し、平野が様子を見過ぎて攻撃のタイミングを逸してしまったことを反省した。