熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER

“魔法の30mゴール”谷川萌々子は「ミトマを思い出す起用」ブラジル人記者の“なでしこ本音評価”「ハセガワは才能の塊。米国は脅威だが…」 

text by

沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

PROFILE

photograph byNaoki Morita/AFLO

posted2024/08/03 11:15

“魔法の30mゴール”谷川萌々子は「ミトマを思い出す起用」ブラジル人記者の“なでしこ本音評価”「ハセガワは才能の塊。米国は脅威だが…」<Number Web> photograph by Naoki Morita/AFLO

グループステージで2勝を挙げた、なでしこジャパンの長谷川唯と谷川萌々子。ブラジル人記者の率直な感想は?

「かつて、日本代表の試合で三笘薫(ブライトン)が途中出場でどれだけ活躍しても、森保一監督は頑なに先発起用を避けていたのを思い出したよ(笑)。その後、三笘は先発で起用されるようになったことを思えば、谷川も今後に期待しているけどね」

――GS3試合で、守備陣は4失点を喫しました。

「自陣深い位置や中盤でのパスミスがピンチを招き、それが失点につながったことがしばしばあった」

――攻撃陣は、3試合で6得点を挙げました。

「C組では、5得点のスペインを上回る最多得点だった。昨年のワールドカップで得点王(5得点)に輝いた宮澤ひなたのように大当たりしている選手こそいないが、多くの選手(6人)が点を取っているのは悪いことではない」

攻撃のMVPはタニカワ。守備では…

――GSのMVPは誰だと思いますか?

「出場時間は短かったが、ブラジル戦での勝利を呼び込んだ谷川。守備陣では、熊谷」

――攻守の要である長谷川の出来をどう思いましたか?

「このチームで最も才能に恵まれた選手。いつもながら、素晴らしいパスを出してチームに貢献していた。ただ、爆発的な活躍をした試合はなかったかな」

――ナイジェリア戦で先制点を決めた浜野は?

「まだ20歳で、非常にスピードがあり、シュートがうまい。今後のなでしこの攻撃を担うべき選手。アメリカ戦でも大いに期待している」

アメリカは監督交代以来強さが…弱点は?

――準々決勝で対戦するアメリカは、これまでW杯と五輪を4度ずつ制覇している超大国です。ただし、東京五輪で3位で、昨年のW杯はラウンド16で敗退と、近年は低迷期にあった。しかし、この大会ではザンビアに3-0、世界ランキング4位の強豪ドイツに4-1、オーストラリアに2-1とGSを3戦全勝(得点9、失点2)。どんなチームだと思いますか?

「今年5月に監督が交代し、以来、本来の強さが戻ってきている。フォーメーションは、守備時は4-2-3-1だけど攻撃時は3-4-3になる。スピード、パワー、テクニックを備えた選手が揃っており、守備陣はフィジカルが強く、攻撃陣は3トップがいずれもスピード豊かで決定力が高い。ほとんど隙のないチームで、今大会でスペインと並ぶ優勝候補だ」

――GSでの得点9は、参加12カ国中最多。CFマロリー・スワンソンが3得点、右ウイングのトリニティー・ロッドマンと左ウイングのソフィア・スミスが各2得点と、3トップが合計7得点をあげている。

「この3人は本当に脅威だ。なでしこは、組織的な守備で対抗するしかない」

――弱点はないのでしょうか?

【次ページ】 タニカワ、ハマノ、キタガワ…後半勝負だ

BACK 1 2 3 NEXT
#長谷川唯
#谷川萌々子
#池田太
#浜野まいか
#三笘薫
#熊谷紗希
#北川ひかる
#パリ五輪
#オリンピック・パラリンピック

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ