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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「打てない打てないって騒ぐけど」西武・渡辺久信監督代行が吐露…「簡単ではない」GM兼任ゆえのジレンマと、無責任な声へのいら立ち
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/04 17:01
選手、監督、GMとしても常に勝者だった渡辺監督代行はいま、未体験の領域で苦闘する
「数年前、ヤクルトやオリックスが最下位の次の年にいきなり優勝した例はあるけど、なかなかそういうのは難しいよね」
渡辺GMは率直に話した。ヤクルト、オリックスともに2021年、過去2年連続の最下位から頂点に立ったが、そうしたケースは決して多くない。
「でも、ファンは待ってくれないからね。強い西武を見たいと思ってくれるファンは当然いるだろうし。そこまで何年も待ってくれると考えるのは、ちょっと違うかな。できれば早く戦える、しっかり優勝争いをできるようなチームをつくっていきたい」
「FAを引き留めることはしない」
FAに関して、今後も方針は変わらないという。
「球団のスタンスとしたら、お金をすごい出して選手を引き留めることはしないですよね。すごいお金で引き留めたところでチームとしてのバランスもおかしくなってくるし。引き留めたいのは当たり前のことだから。うちで育った選手だし、絶対戦力として必要。でもFAはみんながとった権利ですから……」
パ・リーグでは群を抜く資金力のソフトバンクが毎年大型補強を敢行し、リーグ3連覇中のオリックスもFA市場に資金を投じている。では、西武はどのように対抗していくのか。
「それは育成に力を入れていく。僕が入団した頃から西武は育成に重点を置いていました。当時は好き勝手やっていたチームがほとんどの中、広岡(達朗)さんは『玄米を食べろ』などと管理を徹底し、結果を出してきた。どんどんNPBを代表するような選手が出てきて、スカウティングも含めてあの時代の西武はすごかった。当時は、強かったチームが10年間ほとんど同じ選手でやっているから、それは強いわけだし。今はFAもあるから、選手も入れ替わるからね。別にあの時代に戻ろうとは思わないけど、何とか強い西武を取り戻したいのはずっとあります」