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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「打てない打てないって騒ぐけど」西武・渡辺久信監督代行が吐露…「簡単ではない」GM兼任ゆえのジレンマと、無責任な声へのいら立ち
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/04 17:01
選手、監督、GMとしても常に勝者だった渡辺監督代行はいま、未体験の領域で苦闘する
「(2018、19年にリーグ連覇した)“山賊打線”のとき、ピッチャーのことをいろいろ言われたじゃないですか。だから、『3年後までに投手王国をつくる』って宣言したでしょ? そうやって獲った選手たちが育って今、そこそこの投手陣になっている。そうして結果が出るとみんな、投手陣のことは一切言わなくなりますもんね。でも、(投打の)どちらかがうまく行かなくなる時期もありますよ。打線がいいうちに、ピッチャーを育てなくちゃいけないのもありますし」
開幕前には優勝候補にさえ挙げられたが…
2018・19年は投手陣を打線がカバーしてリーグ連覇した。それから投手陣再建に着手し、チーム防御率は大幅に改善されている。以下が年ごとの変遷だ(括弧内はリーグ順位。今季の成績は7月29日時点、以下同)。
・2018年:4.24(6位)
・2019年:4.35(6位)
・2020年:4.28(6位)
・2021年:3.94(6位)
・2022年:2.75(1位)
・2023年:2.93(2位)
・2024年:3.10(4位)
今季はエースの髙橋光成が不調、将来のメジャー移籍を希望する平良海馬が故障で離脱中だが、チームを引っ張る今井達也や成長著しい渡邉勇太朗、2023年ドラフト1位ですでに7勝を挙げた左腕・武内夏暉など駒はそろう。豊富な投手力を根拠に、開幕前には優勝候補に挙げる声もあったほどだ。
だが、チーム得点、チーム打率ともにリーグ最低と打線が低迷。頼みの外国人では、今季育成選手として入団したアンソニー・ガルシアが支配下選手登録されて日本の野球に対応し始めているものの、元メジャーリーガーで大きな期待をかけたヘスス・アギラー、フランチー・コルデロがともに戦力にならず。経験の少ない打者たちはチャンスをつくっても“あと1本”がなかなか出なかった。
結果、5位オリックスに12ゲーム差をつけられて最下位。このままのペースで行けば、史上2度目のシーズン100敗も危ぶまれるほどだ。
果たして、チーム再建はどれくらい時間をかけて進めていくのか。