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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「夜の盗塁王と呼ばれた男」高橋慶彦の“モテモテ伝説”がスゴかった「野球と私、どっちが大事なの?」「野球に決まってんじゃん」本人が語る真相
posted2024/08/01 11:05
text by
長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph by
Sankei Shimbun
「高橋慶彦モテモテ伝説」の真相
慶彦には「猛練習伝説」に加えて、「彼ほどモテた選手もいない」といううらやましい伝説も同時に残っている。
「63歳(取材当時)にもなって、今でも《高橋慶彦》で検索すると、《夜の盗塁王》って出てくるんだよね。もう、今では自分の売りにしているけどね(笑)」
かつて、「夜の盗塁王」と称された。猛練習を続け、試合にも出続けながら、80年代の慶彦は「遊びの時間」も充実していた。
「誤解してほしくないのは、最終的には男が女を選ぶんじゃなくて、女が男を選んでいるんだからね。例えば銀座のクラブに行っても、野球選手は足下にも及ばないような金持ちもいれば、大社長やタレントもいる。その中で女の子が品定めをして、“高橋慶彦がいい”ってなるんだから。そこを忘れちゃいけない。女に選んでもらうために男は一生懸命に仕事をするんだよね」
かつて、銀座にあった直木賞作家・山口洋子がマダムを務めた「姫」という名店を訪れたときのことだった。
「このとき、お姉さんたちから、“慶彦ちゃん、女の子たちから逆指名されるような呑み方をしないとダメよ”って言われたんだよね。お客が女の子を指名するのではなく、女の子の方から、“慶彦さんのテーブルにつきたい”って言われるような呑み方をしなくちゃいけない。酒が入って威張ったり、横柄になったりするのはやっぱりダメだよね。この言葉は忘れられないし、今でも肝に銘じているよ(笑)」
慶彦には「女性の部屋に行ってもバットを振っていた」という伝説もある。
「あぁ、バットはいつも振っていましたよ。だって、“素振りをする”という、僕のルーティーンの中に女性が入ってきているんだから、まずはルーティーンを優先するのは当然でしょ。その間、女の子は何時間も待っていたよね。“あんた、野球と私とどっちが大事なの?”ってよく聞かれたけど、“野球に決まってんじゃん”って言ったよね。まぁ、怒った、怒った(笑)」