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競泳・瀬戸大也(30歳)が「五輪参加条件」未達でも400m個人メドレー決勝進出のナゼ…“本番”200m個人メドレーで期待ができる「納得のワケ」 

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田坂友暁

田坂友暁Tomoaki Tasaka

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photograph byRyosuke Menju/JMPA

posted2024/07/30 17:02

競泳・瀬戸大也(30歳)が「五輪参加条件」未達でも400m個人メドレー決勝進出のナゼ…“本番”200m個人メドレーで期待ができる「納得のワケ」<Number Web> photograph by Ryosuke Menju/JMPA

代表選考会で派遣標準記録を突破できなかった瀬戸大也だが、400m個人メドレーに出場し7位入賞。そのワケは?

 3月の国際大会代表選手選考会でも、400m個人メドレーの時点では身体のキレも悪く、このままでは200m個人メドレーも厳しいのではないかと思われるほどだった。しかし、続いて出場した200mバタフライで3本レースをこなすと身体にキレが出始め、200m個人メドレーを迎えるころには、完全に身体と気持ちのスイッチが入り、5日前とは別人のようなキレのある泳ぎになっていた。

 長期の試合のなかで、レースを重ねれば重ねるほど調子を上げていく瀬戸が、競泳種目の6日目に行われる200m個人メドレーで結果を残すには、どうしたら良いか。

 単純明解。1国2人の出場枠に空きがあり、200m個人メドレーよりも前に行われる、瀬戸がエントリーできる記録を持つ種目を泳がせることである。

 結果、瀬戸は400m個人メドレーにエントリーし、メダルにこそ手が届かなかったものの予選を3位で通過。決勝では唯一マルシャンに迫ることができたことで、調子が良いことを証明した。

200m個人メドレーへの期待が高まる

 東京五輪を境に前半から全力で飛ばす積極的なレースができていなかったが、今回の400mでは好調を維持した2019年を彷彿とさせるような、バタフライ、背泳ぎから全力で飛ばす泳ぎを見せた。これは、スピードを出せる身体の準備ができている証拠でもある。そうなれば、400mよりもスピード能力が必要となる200m個人メドレーへの期待は、必然的に高まる。

 ほかの選手についても言及しておくと、リレーのみに出場するよりは、事前にレースを経験させることは、メイン種目で結果を出すには有効だ。特に、松山、谷口については、今回が五輪初出場。大会を締めるメドレーリレーという、会場のボルテージも最高潮のタイミングでいきなり泳ぐよりも、一度レースを経験しておくことはメドレーリレーにもつながることだろう。

 今回、もし個人メドレーの400mよりも200mが先に行われるスケジュールだったら、瀬戸のエントリーはなかったはずだ。当然である。「メイン種目で結果を残すため」という理由に当てはまらないからである。

 そして、もう一つ言及しておく。瀬戸にしても、松山も谷口も小堀も、全員が個人、もしくはリレーの派遣標準記録を突破している、ということだ。

 こういう話になると200m個人メドレーで100分の1秒派遣標準記録に届かなかった小方颯や、男女の4×100mリレーなど出場できなかった種目が話題に上る。しかし、厳しいことを言うが小方も4×100mリレーも、残念ながら派遣標準記録を突破していない。

 その点で、瀬戸、松山、谷口、小堀らは、何よりもまず派遣標準記録を突破しており、その上でメイン種目に好影響を与えると判断された場合のみ出場が叶っている。だから松山は200m背泳ぎに出ないし、小堀は800m自由形に出場しないのである。

 さて、結果的に瀬戸は“サブ種目”の400mでは一定の結果を残してみせた。それをどう“メイン種目”の200mに生かせるのか。目標は1分55秒55の自己ベスト更新。結果は、果たして――?

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