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競泳・瀬戸大也(30歳)が「五輪参加条件」未達でも400m個人メドレー決勝進出のナゼ…“本番”200m個人メドレーで期待ができる「納得のワケ」
posted2024/07/30 17:02
text by
田坂友暁Tomoaki Tasaka
photograph by
Ryosuke Menju/JMPA
パリ五輪の競泳男子400m個人メドレー決勝。
下馬評通り、地元フランスのレオン・マルシャンが世界記録に迫る4分02秒95のオリンピックレコードで1つ目の金メダルを獲得した。2位に入ったのは、今シーズン好調だったカーソン・フォスター(アメリカ)でも、ルイス・クレアバート(ニュージーランド)でも、そして瀬戸大也(CHARIS)でもなく、日本の期待の若手・18歳の松下知之だった。
得意な最後の自由形で大逆転劇を演じて、自己ベストを1秒42も短縮する4分08秒62で銀メダルを勝ち獲った。松下に遅れること100分の4秒差で、フォスターが銅メダルという結果となった。
予選で余力を残して3位通過を果たし、2大会ぶりのメダル獲得に意欲を見せていた瀬戸は、4分11秒78の7位に終わる。最初のバタフライこそマルシャンに迫ったものの、平泳ぎの後半から伸びを欠き、最後の自由形を迎えたときにはすでに体力は底を突いていた。苦笑いをしながら「バテバテだった」とレースを振り返る。
「とにかく400mをどう全力で泳ぎ切るかを考えていましたし、前半から攻めるためのトレーニングをしてきました。それはできましたし、やっぱりこの400m個人メドレーの決勝という舞台に立てたことが幸せでした」
そして、気持ちを200m個人メドレーに向け、こう語った。
「最大であと3回。1レース1レース、五輪という素晴らしい舞台で泳げる瞬間を噛みしめて泳ぎたい」
瀬戸が400m個人メドレーに出場できたワケ
さて、ここでひとつ疑問が浮かぶ。
なぜ瀬戸は400m個人メドレーに出場しているのか――。
今年3月に行われたパリ五輪の代表選考会。瀬戸は400m個人メドレーで松下に敗れ、さらに派遣標準記録を突破できなかった。その後、200m個人メドレーで派遣標準記録をクリアして優勝したことでパリ五輪の代表権を獲得する。
厳密に言えば、日本水泳連盟が定める条件下において、選考された時点では400m個人メドレーの出場権利は有していなかったのだ。
しかし、6月に実際のエントリーが発表された際、400m個人メドレーの欄に瀬戸の名前が入っていた。瀬戸以外にも、いくつか追加でエントリーされた種目・選手がいる。リレーで選抜された男子100m背泳ぎの松山陸、男子100m平泳ぎの谷口卓、女子400m自由形の小堀倭加の3人である。