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「だいじょぶ。信じてるから…」なでしこ清水梨紗、悲運のヒザ負傷離脱…“テレビが報じない”仲間の絆「ただ心配で」「梨紗さんのために」
posted2024/07/28 12:04
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Takuya Nakachi/JMPA
なでしこジャパンはパリ五輪初戦、スペイン相手に1-2で敗れた。
現世界女王相手の惜敗と見るのか、それとも昨年のW杯で勝利した相手に力及ばなかったのか。池田太監督は「基本的にスペインの狙いは今までと変わらなかったが、グレードアップしてるというような状態」と分析した。スペイン相手に「結果は出なかったが、色々な変化を作れた。狙いを持ったボールの動かしや、前線の運びなどできた部分もゼロではなかった」と一定の成果を口にした。
駆け寄った長谷川唯は「ただ心配で……」
ただ、黒星発進よりも痛いのは主力右サイドバックの清水梨紗を負傷で欠くことになってしまったことだ。
スペイン戦に先発した清水が悲運に襲われたのは66分のことだった。
自陣でFWマルテナ・カルデンティとマッチアップし、そのまま右膝を抑えて倒れ込んだ。特に激しい接触があったようには見えなかったが、起き上がることはできず担架で運ばれた。駆け寄った長谷川唯は「ただ心配で……」とつらそうに顔を歪めた。長谷川と清水は代表だけでなく、中学時代から日テレ・メニーナ以来ともにプレーしてきた友人でもある。清水の無念さは我が事のように感じているだろう。
清水は今回のパリオリンピックに懸けていた選手のひとりだ。理由は東京五輪、準々決勝スウェーデン戦での失点にある。1-1で迎えた後半8分、右サイドでブラックステニウスとの1対1で振り切られ、ニアを抜くシュートを許してしまっている。試合の最終スコアは1-3だったが、この2点目が決勝点。清水はピッチで人目をはばからず号泣し、この失点を悔やんだ。
「国内ではあんなウラの取られ方をしたことがなくて」
悔やむだけでなく、自身の成長の原動力とした。
「国内ではあんなウラの取られ方をしたことがなかったので、このままでいいのかなってなりました」
他はぽんこつなんですけど、サッカーについては
これを機に長年所属した日テレ・ベレーザから離れる決意をし、海外移籍を模索し始めた。