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「金銭的な部分も含めて、業界を変えたい」世界を知る女子レスラーの思い…Sareeeが「プロレスは普通のスポーツとは違う」と考える理由 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/07/28 17:11

「金銭的な部分も含めて、業界を変えたい」世界を知る女子レスラーの思い…Sareeeが「プロレスは普通のスポーツとは違う」と考える理由<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

スターダム、マリーゴールドなどさまざまな団体に参戦し存在感を放っているSareee

「金銭的な部分も含めて、業界を変えたい」

 自分の強さを追求してきたSareeeだが「後に続く選手を育てるのも大事」だと言う。WWEから日本に戻って感じたのは、女子プロレスを志す子供のファンが増えていること。デビューする選手も多くなってきた。

「だからこそ選手を育てて、業界を盛り上げていきたいです。金銭的な部分も含めて、みんなが女子プロレスにすべてをかけられる状況にしないと。今はアルバイトしながらプロレスをしている選手もいますから。そういう部分でも業界を変えたい。私はフリーだから難しいかもしれないけど、やれることはあると思います」

 アルバイトをしながら限られた時間で練習して週末の試合に臨み、コアな女子プロレスファンに見てもらって売店でグッズを売る。楽しくも小さな、あまりお金や知名度にはつながらない世界だ。

「でも、そこでプロレスに夢を見ている若い選手を否定しても仕方ない。その選手たちがプロレス一本の生活をできるような業界を作るのも、私たちの役目だと思ってます。そう考えると、やることはたくさんありますね」

 Sareeeは“激しい試合”をさせたら当代随一の女子レスラー。その激しさで観客を魅了することで、業界の未来を示そうとしてもいる。

「プロレスは普通のスポーツとはちょっと違って、諦めなければなんとかなるという要素があるんです。諦めずに技を出して、返して。諦めなかった分だけ試合は続くしお客さんも熱くなってくれる。私が強いんだとしたら、そういう部分の強さでしょうね」

 その“諦めない”闘いは、もはや自分のためだけではない。いつかSareeeのようになりたいと夢を見る若者たちのためにも、彼女は背中を見せ続ける。

《インタビュー第1回も公開中です》

(撮影=杉山拓也)

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「泣いてんじゃねえ!ってビンタしたけど…」WWEから帰還したSareeeが日本で目指す“プロレス”とは?「ライバルはいればいるほど面白い」

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