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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「金銭的な部分も含めて、業界を変えたい」世界を知る女子レスラーの思い…Sareeeが「プロレスは普通のスポーツとは違う」と考える理由
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/07/28 17:11
スターダム、マリーゴールドなどさまざまな団体に参戦し存在感を放っているSareee
「体重100kgの選手に、私が普通に技を出しても効くはずがない。じゃあどうしたら技が効くのか、倒せるようになるのか。いろいろ研究もしました。
プロレスの試合ではどれだけ体格差があっても、相手に強い技を当てていくしかない。技の威力を上げるためには、結局は気持ちを込めるしかないなと。エルボーは気持ちが見えやすい技ですけど、ドロップキックもボディスラムも一発の強さを意識してます」
そして気持ちの強さを身につけるには「練習するしかない」と言う。
「自信がつけば、気持ちも自然に強くなります。その裏付けになるのがトレーニングですね。人より練習してるんだと思えたら自信になりますから。
“大丈夫かな、勝てるかな”という気持ちは誰にだってあるもの。私にもあります。そんな時に自分を支えてくれるのは“あれだけ練習してきたんだから”という気持ち。普段の自分が自信の源になるんです」
「4人とも、負けたくないと思ってるはずです」
7月29日の自主興行『Sareee-ISM』(新宿FACE)では、親友のスターダム・なつぽいと久々のタッグ。彩羽匠(マーベラス)&AZM(スターダム)と対戦する。
今年3月、なつぽいが負傷欠場からの復帰戦で対戦相手として選んだのがSareee&橋本千紘だった(なつぽいのタッグパートナーは安納サオリ)。Sareeeはここでスターダム初参戦。そこから岩谷麻優とのIWGP戦につなげている。
そして今度はマリーゴールドのシングル王者として、スターダムのなつぽいとタッグ。お祭り的カードでありつつ、刺激の強いものになりそうだ。
「なつぽいは“妖精”と呼ばれていつもニコニコしてますけど、可愛さとか華やかさだけの選手じゃない。負けん気の強さも凄いですから。私と組む以上はそういう面も引き出したいですね。タッグマッチですけど、周りの3人全員にインパクトで負けたくない。たぶん4人とも“他の3人に負けたくない”と思ってるはずです。私としても彩羽はライバルと言える存在。AZM選手はなつぽいのライバルということで、私も当たるのが楽しみです」
自主興行はSareeeが高く評価する、あるいは期待する選手たちの試合が組まれる。昨年デビューしたChi Chi(Evolution)もその1人だ。魅力はSareeeも認める気の強さ。Sareeeが練習を見ることもあるそうだ。
「伊藤(薫)さんの道場に、いろんな団体から若手が練習にくるんです。そこで私が一緒に練習することもありますね。やる気のある選手にはどんどん教えたいです。私に教えられることは全部。やっぱり、まずは受身からですね。受身も団体によってやり方、レベルにばらつきがありますから」