開幕からの連敗記録は1965年、サンケイが中日に記録した13連敗、パ・リーグ記録は東映が西武の前身西鉄ライオンズ相手に記録した12連敗。つまりあと「1」で、パ・タイ記録になる。

　開幕からに限らなければ、1955年、大洋は中日に19連敗、大洋は翌56年も中日に負け続けてシーズンをまたいで26連敗している。パ・リーグでは1965年、東京が南海に17連敗したのが最多だ。

　西武とロッテの通算勝敗は、それでも西武の933勝871敗87分、勝率.517と西武が勝ち越している。

　ただ、ともに創設1年目の1950年、ライオンズの前身の西鉄クリッパースは、ロッテの前身の毎日オリオンズに3勝16敗1分、率.158と大負けしている。今年は、それ以来74年ぶりの大敗になる可能性がある。

同一カード最低勝率は「.053」…全敗はないが

　1950年以降のNPBでは、交流戦を除いて「同一カード全敗でシーズン終了」という記録はない。

〈対戦カードシーズン最低勝率ワースト5〉
　1950年　国鉄 1勝18敗 松竹 率.053
　1954年　大映 2勝18敗 南海 率.100
　1950年　国鉄 2勝17敗1分 中日 率.105
　1967年　サンケイ 3勝23敗 巨人 率.115
　1990年　ダイエー 3勝22敗1分 オリックス 率.120

　国鉄、サンケイは現在のヤクルトスワローズの前身だ。創設された1950年に、派手な大負けを2例記録しているほか、サンケイと球団名が変わった67年にも大負けしている。

　それでも「全敗」という記録は過去なかったのだ。

　いずれにしても「大負けの記録」の多くは半世紀以上も前の記録だ。

　それを考えても、西武ライオンズの今季の成績は「歴史的」というほかはない。西武の残り試合は61、ロッテとの対戦も14試合残されている。

　ライオンズは、この不名誉な記録をどこまで打ち消すことができるだろうか？

週間記録セ：ヤクルトも不調でペナント争いから脱落か

【2024年7月8日～7月14日　週間成績】
〈セ・リーグ〉
・今季成績
　巨　人83試42勝36敗5分 率.538 差--
　広　島79試40勝35敗4分 率.533 差0.5
　DeNA83試43勝39敗1分 率.524 差1
　阪　神84試41勝38敗5分 率.519 差1.5
　中　日85試37勝42敗6分 率.468 差5.5
　ヤクルト82試32勝46敗4分 率.410 差10

・14週目の成績
　巨　人4試3勝1敗0分 率.750
　DeNA6試4勝2敗0分 率.667
　広　島3試2勝1敗0分 率.667
　阪　神5試3勝2敗0分 率.600
　中　日6試2勝4敗0分 率.333
　ヤクルト4試0勝4敗0分 率.000

　ヤクルトは7月に入って1勝9敗、8連敗中。5位中日との差が4.5に開き、ペナントレースから脱落しつつある。首位巨人から4位阪神までは1.5差。

〈打撃成績5傑〉※打撃の総合指標、RC＝Runs Created順
　福永裕基（中）23打10安3点 率.435 RC6.44
　山本祐大（De）17打9安1本3点 率.529 RC5.58
　オースティン（De）21打5安3本3点 率.238 RC5.34
　高橋周平（中）15打8安1本6点 率.533 RC5.27
　宮本丈（ヤ）15打9安1点 率.600 RC4.50

　中日の新4番、福永が週間10安打の活躍。DeNAの捕手・山本は通算でも.315とハイアベレージ。本塁打はオースティンの3、打点はDeNA佐野恵太の6。盗塁はDeNAの梶原昂希の2がそれぞれ最多だった。

〈投手成績5傑〉※リーグ防御率に基づくPR＝Pitching Run順
　東克樹（De）1登1勝9回 責0率0.00 PR3.17
　ケイ（De）1登1勝8回 責0率0.00 PR2.82
　髙橋宏斗（中）1登1勝8回 責0率0.00 PR2.82
　大瀬良大地（広）1登6回 責0率0.00 PR2.11
　高橋奎二（ヤ）1登1H5.1回 責0率0.00 PR1.88
　吉村貢司郎（ヤ）1登5.1回 責0率0.00 PR1.88　

　DeNAの東は7月10日の中日戦で完封。救援では阪神の岩崎優と中日のマルティネスが2セーブ。中日の清水達也、松山晋也が4ホールドを挙げた。

週間記録パ：楽天の39歳・岸が古巣西武を完封

〈パ・リーグ〉
・今季成績
　ソフトバンク81試51勝27敗3分 率.654 差--
　ロッテ82試43勝33敗6分 率.566 差7
　楽　天80試39勝39敗2分 率.500 差12
　日本ハム81試38勝38敗5分 率.500 差12
　オリックス81試39勝40敗2分 率.494 差12.5
　西　武81試24勝56敗1分 率.300 差28

・14週目の成績
　楽　天5試4勝1敗0分 率.800
　日本ハム5試4勝1敗0分 率.800
　オリックス5試3勝2敗0分 率.600
　ロッテ5試3勝2敗0分 率.600
　ソフトバンク5試1勝4敗0分 率.200
　西　武5試0勝5敗0分 率.000

　首位ソフトバンクは、7月に入って3勝7敗と失速しながらも、2位ロッテとは7差。15日からの3連戦の初戦を落として6差となったが、今後どうなるか。3位楽天から5位オリックスは0.5差の混戦。西武は7連敗。

〈打撃成績5傑〉
　小郷裕哉（楽）21打9安1本6点2盗 率.429 RC7.01
　レイエス（日）13打7安2本2点 率.538 RC6.31
　小川龍成（ロ）13打8安1点 率.615 RC4.71
　大里昂生（オ）13打5安1点1盗 率.385 RC4.43
　髙部瑛斗（ロ）18打7安3点1盗 率.389 RC4.16

　楽天の小郷は1番打者としてマルチヒット3試合。新外国人レイエスは2試合連続本塁打。オリックスの大里は前週プロ初安打、今週は1番打者として活躍した。本塁打は日本ハムのレイエス、万波中正が2本、打点は楽天・小郷とロッテ田村龍弘が6、盗塁はソフトバンク周東佑京が4で最多だった。

〈投手成績5傑〉
　岸孝之（楽）1登1勝9回 責0率0PR3.05
　種市篤暉（ロ）1登1勝8回 責0率0PR2.71
　田嶋大樹（オ）1登1勝7回 責0率0PR2.37
　小島和哉（ロ）1登1勝7回 責0率0PR2.37
　曽谷龍平（オ）1登1敗6.2回 責0率0PR2.26

　楽天の39歳、岸は7月13日、古巣・西武を完封。ロッテの種市は同じ13日にオリックスを8回零封。救援では日本ハムの田中正義と楽天の則本昂大がともに失点しながら2セーブ、日本ハムの池田隆英が3ホールド。