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高橋藍がいま描く“男子バレー最高の結末”とは?「家族のように仲がいいチームなので…」「祐希さんとの関係も変わった」パリ出発前に明かした本音
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph byVolleyball World
posted2024/07/16 11:01
パリ五輪への想いを明かした高橋藍(22歳)。3年前の東京大会とは立場も大きく変わった
――選ばれても、選ばれなくても、本当にいろいろな感情がある。
そうです。アウトサイドヒッターも最後まで熾烈でしたが、一番はリベロですよね。山本(智大)選手、小川(智大)選手、2人とも本当に世界トップのリベロです。12人である以上、リベロが1人しか選ばれないのはどうしようもないことだとわかっていても、できるなら2人に出てほしかったし、山本選手とも小川選手とも仲良くさせてもらっていて、小川選手が東京オリンピックで落選してから「絶対にパリを狙う」という話も聞いてきました。
できることなら今までやってきた全員で臨みたいけれど、12人で戦わなければいけない。すごく複雑ですけど、だからこそ、選ばれた選手は選ばれなかった選手の分も、という思いで戦う。それは全員が共通して持っている思いでもあります。
――チームが強いからこそ、誰が選ばれるのかということも話題になる。わかってはいても複雑です。
本当にその通りで、僕らは僕らで見てきたもの、やってきたこと、越えてきたものがあって、いろんな背景がある。でもそれは(外からでは)なかなか見えない部分で、簡単に語れるものではないですよね。
ファンの方々からすれば、どうしてこの選手が選ばれないんだ、とか、いろんな感情もあると思いますが、今の時代はいろんな声がどうしても選手の耳や目に入ってくる。いろいろと思うこと、言いたいことがある方もいるとは理解していますが、想像で発信するのではなく、見えない部分、いろんな背景があってそれぞれをリスペクトし合って僕らは戦っている、ということは理解していただきたいし、実際にいろいろな声が僕や他の選手にも届いたからこそ伝えたい思いでもあります。
「プレッシャーは感じていない」
――選手選考だけでなく、さまざまなことが取り上げられています。大きな関心を「プレッシャーになるのではないか?」と懸念する声もありますが、実際はどうですか?
僕は嬉しい。プレッシャーには感じていません。何よりオリンピックは自分たちの名誉や栄光のために戦う場であり、どれだけ期待、プレッシャーをかけられようと僕たちはやりきることが一番です。
チームの目標としてメダル、金メダル獲得を掲げていますが、最終的にはやってきたことをやり切って、勝つか負けるか。勝てなかったら何かが足りなかったか、出し切れる力がなかったか、まだまだもっともっと追い込む必要があったということ。勝てればやってきたことが出し切れた、正解だった、というだけのことなので。強い男子バレーを見せるのが最優先ではなく、自分たちがやってきたこと、つくりあげてきたものをすべて出し切って勝つか負けるか、勝負するのが一番なので、プレッシャーはありません。