高橋藍のカラフルデイズBACK NUMBER
高橋藍がいま描く“男子バレー最高の結末”とは?「家族のように仲がいいチームなので…」「祐希さんとの関係も変わった」パリ出発前に明かした本音
posted2024/07/16 11:01
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph by
Volleyball World
――いよいよパリ五輪が開幕します。日本代表への期待が寄せられる中、心配されるのが高橋選手の左足首の状態です。現状はどうですか?
今年1月にイタリアで左足首を捻挫をした時の痛みが、バレーボールネーションズリーグ(以下、VNL)のカナダ戦(6月18日)でぶり返してしまった。動く時に痛みが出るので力が入らず、徐々にパフォーマンスが下がっているのが自分でもわかりました。
(フィリップ・)ブラン監督もわかっていたので「どうする?」とその時点で問われたのですが、1セット目を落として2セット目を取り返して、ここから、という状況だったので僕自身もコートを離れたくなかった。自分で「やれる」と答えました。でも、その時点でだいぶ痛みが出ていたし、これは少し長引くかもしれない、ということもわかっていた。VNLのファイナルラウンドに出る選択肢もありましたが、僕もチームもパリオリンピックに懸けてここまでやってきた中、ここで無理して出る必要はないだろう、と。
痛くても無理をしてやればいいというわけではなく、どこに照準を合わせて戦うかというのはイタリアでの経験やこの3年間で学び、成長できた部分でもあるので、パリオリンピック、そしてその先もバレーボールをやり続けて行くためにも今は無理する時ではないと判断しました。それぐらい、この3年間はオリンピックのために、すべてを懸けてきましたから。
「プレーもメンタルも成長できた」
――初出場の東京五輪の時とは明らかに立ち位置も言動も違います。「すべてを懸けてきた」と言い切れる3年間、満足するレベルに近づいている実感はありますか?
かなりレベルアップできたとは感じていますが、限界はつくりたくない。ただ、最年少で出場して、引っ張ってもらうだけだった東京オリンピックと比べれば、確実に戦うための準備ができた自信はあります。石川(祐希)選手、西田(有志)選手、関田(誠大)選手という軸・柱がある中、自分もこのチームで軸になれればもっと強くなれると思ったし、その時間はたった3年しかない。どの試合でも結果を出して成長して、自信をつけていくことがパリオリンピックにつながると思っていたし、そのためには自分を主張しないといけない。プレーもメンタルも、成長できたと思います。