体操経験者だが、若い内に幅を広げようという社長の方針で、チアダンスやキッズダンスなどに挑戦中。「今はそれが楽しい」と語る。だが、将来にはもっと大きな夢を抱いているようだ。

「私の夢って、ずっと全国を飛び回って仕事がしたいんですよ。最終的には家を持たないってところにたどりつくんですけど、栃木で出会った治療の先生がそういう人で、単純にめちゃ面白そうな人生やなって。色んな人との出会いがあって、色んなことを学べる。そういう刺激のある毎日が欲しいんでしょうね」

　そして、こう続ける。

「体操をしていたから体操しかできないっていうのは、私はちょっと違うと思うんです。体操を通して諦めないことの大切さを学んだし、逆に諦めることも大切だってわかった。そういう今まで得てきた経験を、もっと若いコたちに伝えたい。一時でも体操を嫌いになったことを私はすごく後悔しているので、同じ思いを味わわせたくないんです。体操をしていたからこそこんなこともできるし、あんなことも教えられる。そんな人になりたいんですね」

 

　あくまでも軸足は体操に置きつつ、できる活動を広げていく。これまで狭い世界で生きてきた分、もっと広い世界を知りたいという欲求が強いのだろう。

　恥ずかしがり屋で、母親のかげに隠れていた少女はもういない。人見知りだった女子高生時代も、もはや遠い過去だ。人と話すことが好きで、「新しい自分を見つけていきたい」と話す姿に、自立して歩んできた彼女の成長が見てとれた。

五輪の映像出演「今は良かったとしか思わないですね」

　体操人生に多大な影響を与えたであろう、あの映像に出たことを、土橋さんは今どう思っているのだろうか。

「やっぱりあの映像のおかげで土橋ココって名前を覚えてもらったこともあるやろうし、今は良かったとしか思わないですね。ギリギリ体操が好きだった頃の自分が映像として残っている。いつか子どもができたら、めっちゃ自慢したいです（笑）」

　人懐っこい笑みを浮かべ、きっぱりとこう話した。

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東京五輪のPR映像、覚えてる？…“スクランブル交差点で開脚ジャンプ”の体操女子高生・土橋ココ（24歳）の今「渋谷に行くのも初めてだったんです」