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“東京五輪PR映像”で話題に…「体操女子高生」だった土橋ココ(24歳)が五輪代表の同級生・杉原愛子に受けた衝撃「世界を目指す人は違うんやって」 

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小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byTakashi Shimizu

posted2024/07/21 06:02

 “東京五輪PR映像”で話題に…「体操女子高生」だった土橋ココ(24歳)が五輪代表の同級生・杉原愛子に受けた衝撃「世界を目指す人は違うんやって」<Number Web> photograph by Takashi Shimizu

武庫川女子大ではリオ&東京五輪代表の杉原愛子ともチームメイトになった土橋ココさん。競技への取り組みにおおきな衝撃も受けたという

「ココの演技」とは何だろう。そう自問自答を繰り返す中で、五輪に代わる新たな目標が見えてきた。それこそが、床や平均台の上で自分を表現することだったのだ。

「こだわってやっていくうちに弱点だったものが得意になって、それをもっと突き詰めたいってなったときに、土橋ココっていう人間をもっと知ってもらいたいと思えた。人前に出ることも平気になって、気づいたらまた体操がすごく楽しくなってました。今までは嫌なことからすぐに逃げていたんですけど、苦手なことも興味を持ってやれば意外に克服できるんやなって。それに気づけたのは、すごい自信になりましたね」

杉原愛子に感じた「世界を目指す人は違う」

 武庫川女子大では、途中で編入してきた杉原愛子とチームメイトになった。

 リオ、そして東京と2大会連続で五輪出場を果たし、今度のパリ五輪にもチームの補欠として同行する同級生の仲間を、このような言葉で称える。

「やっぱりトップになるためにはここまで練習せんとあかんよなって。私はそこまで特化してできなかったんですけど、愛子さんは徹底してやってました。コロナ禍でも私は練習が休めてラッキーって。でも、世界を目指す人は違うんです。トップの凄さを姿勢や行動で示してくれて、すごく学ばせてもらいましたね」

 東京五輪が開催された翌年、土橋さんは武庫川女子大を卒業し、栃木県の「スポーツ専門員」に採用された。いわゆる国体要員としての期限付きの就職だった。体操関連以外の就職先も考えたが、どうしても心が躍らなかったという。

 選手としての引退は、2022年秋のこと。「いちご一会とちぎ国体」に栃木県代表として出場し、成年女子団体総合メンバーの一員として女子体操の準優勝に貢献。笑顔で最後を締めくくった。

「引退は、もうええかなって感じで(笑)。やりたくなったらまたやったらいいやんくらいの軽い気持ちでした。いったん区切りをつけて、体操は趣味みたいなもんにしておこうって」

 栃木県を離れることも決意し、再就職を検討。一時はフリーの振付師として身を立てていくことも考えたが、縁あって今の職場『おさるの森』にたどりついた。

【次ページ】 五輪の映像出演「今は良かったとしか思わないですね」

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