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《大谷翔平30歳》栗山英樹「マンガのような選手を」20歳時から輝いた超才能…「これまでの日本人にないものが」長嶋茂雄の予言とは
posted2024/07/05 18:05
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Hideki Sugiyama
栗山監督「エースで4番だというイメージ」
<名言1>
ぼくはマンガのような選手を作らないとプロ野球じゃないと思ってる。
(栗山英樹/Number828号 2014年4月10日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/810867
◇解説◇
エンゼルスからドジャースへと所属先が変わっても、大谷はバージョンアップを果たしている。
優勝――それも地区優勝にとどまらずワールドシリーズ制覇――を義務付けられるチームは今季、ベッツに山本由伸、マンシーらが負傷で戦線離脱。さらには左腕エースのカーショーもまだ復帰には至っておらず、決して楽な台所事情ではない。
それでも大谷は打率.316、27本塁打64打点17盗塁(現地7月4日現在)とキャリアハイ更新も期待できるペース。20代最後の6月に大爆発したバッティングを見れば、ナ・リーグ地区首位を走るドジャース打線の中核であることは間違いない。
シーズンごとに新たなストーリー展開が用意されているような、大谷の活躍ぶり。マンガでも描いたらボツにされる……とは、大谷が大活躍を見せた際に冗談めかして使われる表現だが、日本ハムで監督として二刀流挑戦の日々を見守った栗山もまた、そのような視点で見ていたようだ。2013年、ルーキーイヤー時点で、栗山はこのような大谷評を語っている。
「本当に二人いると思ってるよ。エースで4番だというイメージ。バッターとしては今でも主力だし、ピッチャーとしても立ち姿、ボールの質、どれを取っても間違いなくチームの軸になれる」
何より……監督を務めていた栗山は「マンガのような」スケールに大谷が育ってほしい、と考えていたことは、今思うと非常に興味深い。そんな栗山の期待が実るのは、大谷が20歳となる2014年のことだった。
稲葉も「あれだけのセンスの持ち主なんだから」
<名言2>
二刀流を続けるのなら、あれだけのセンスの持ち主なんだから、今後も挑戦を続ければいい。
(稲葉篤紀/Sports Graphic Number PLUS 2014年2月20日発売)
◇解説◇
2014年の日本ハムは、ホームタウンを北海道に移転してから10年という節目のシーズンだった。中田翔や陽岱鋼といった選手が中軸となり、2006年の日本シリーズ制覇を知る稲葉が大ベテランとして支えるというチーム構成の中で、栗山政権3年目のシーズンに若いメンバーの胎動が見られた。西川遥輝や近藤健介、そして大谷である。