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不倫報道で立教大監督を解任、上野裕一郎が初めて明かす真相「本当に申し訳ない…」「ただ、カラダの関係はない」「職を失ってハローワークに」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/06/29 06:00
週刊新潮の不倫報道により、立教大の監督を解任された上野裕一郎。当時「女子部員との関係」について説明をしようとしたが、その機会は実現しなかったという
「しばらくホテルに閉じこもっていました。自分のことが大きなニュースになり、怖くて外に出られなかったです。仮に外に出て、酒でも飲んでいるところを写真に撮られたら『あいつ反省もせずに酒飲んでいる』って書かれるじゃないですか。ネットも見れなかった。この頃は、精神的に安定せず、部屋で酒に走っていました」
週末には箱根駅伝予選会が控えていた。メディアの関心は不在の上野の動向とともに立大の駅伝部の選手たちに向けられる。実際、レース後は多くのメディアが立大の待機テントを囲んでいた。
箱根駅伝予選会は「見られなかった」
その日、上野は友人宅にいた。
「テレビがついていたのですが、さすがに見られなかったです。やっぱり、直前に自分が不在になって申し訳ない気持ちが強くて、テレビの音声だけを聞いていました。これで予選敗退したとなると全部、自分の責任ですから、もう祈るような気持ちでした」
解任された時、チームはすでに調整期間に入っており、練習計画にはそれほど影響が及ばなかった。選手のメンタルだけが心配だったが、「レベル的には予選突破するだけの力がある」と上野は見ていた。選手は練習で培ってきた力を発揮して6位で通過し、難局を乗り越えた。
去る人、手を差し伸べる人
その後も上野は自宅に戻れず、実家に帰ることも考えたが、迷惑が及ぶことを考え、友人が都内に所有するマンションで生活することになった。監督時代、上野をサポートあるいは支持してくれた人は、波が引くように去っていった。身内のように思っていた人にさえ、「俺は注意していたからな」と冷たく言われ、関係を遮断された。
「自分がやらかしたことなので当然ですけど、みんな、いなくなりました。お互いに信頼関係が築けていたと思っていただけに、それはやっぱり辛かったです。ただ、去る人がいれば逆にサポートしてくれる人もいて、そこは本当にありがたかったです。彼らがいなければ、僕は今、走っていたかどうかわからないです」
妻から「バイトでもいいから働いてほしい」
マンション住まいになり、上野はハローワークに足を運んだ。