箱根駅伝PRESSBACK NUMBER

不倫報道で立教大監督を解任、上野裕一郎が初めて明かす真相「本当に申し訳ない…」「ただ、カラダの関係はない」「職を失ってハローワークに」 

text by

佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/06/29 06:00

不倫報道で立教大監督を解任、上野裕一郎が初めて明かす真相「本当に申し訳ない…」「ただ、カラダの関係はない」「職を失ってハローワークに」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

週刊新潮の不倫報道により、立教大の監督を解任された上野裕一郎。当時「女子部員との関係」について説明をしようとしたが、その機会は実現しなかったという

「もう、いろんな人に助けてもらって……申し訳ない気持ちと感謝でいっぱいでした」

 上野は神妙な表情で、そう言った。

記者が感じた「なぜ」

 多くの人を巻き込み、大きな騒動に発展したが、そもそもなぜ女子部員と深い関係に陥ってしまったのか。上野は監督として「部内恋愛」を禁止していた。自分がルールを破れば部内の秩序が成り立たなくなるのは分かっていたはずだ。人を好きになるのは理性では止められない部分があるが、既婚者であり、3人の子の父親である。また、上野には監督という立場があり、箱根駅伝に出場させる責任があった。

 なぜ、という疑問が拭いきれなかった。

「最初、部内でルールを破った部員がいて、それを注意したことで相手に逆恨みをされたようで、その相談を受けたりしていたんです。そのことを含め、いろんなことが起きる中、ルール厳守を口酸っぱく言っていた監督である自分が、そのルールを破ってしまいました」

 気持ちを抑えることができなかったのかと問うと、「すいません」と上野は、頭を下げた。

実現しなかった選手たちへの謝罪の場

 2024年1月、箱根駅伝は実家で見ていた。

 昨年よりも4つ順位を上げて14位となり、学生たちの走りに成長を感じた。一方で、部員や保護者への謝罪をする機会は、なかなか設けられなかった。解任された直後からその機会を大学に打診していたが、4年生の退寮が近づいてもその場は実現しなかった。

「彼らが卒業するまでに、なんとか謝罪したかったのですが……」

 2月末、立大より保護者説明会を行う旨が伝えられ、上野は謝罪文の提出が認められた。部員と保護者への謝罪、あのことの経緯についても書いた。だが、説明会では全文が読まれることはなく、2~3行の謝罪で終わった。大学側からすれば、すでに処分が決まり、終わったことであり、これ以上、学生たちを動揺させるようなことは避けたいという配慮があったのだろう。

上野が部員たちに伝えたかったこと

 上野は、部員たちに何を伝えたかったのだろうか。

【次ページ】 上野を救った選手たちの声

BACK 1 2 3 4 5 NEXT
#上野裕一郎
#立教大学
#立教大学陸上競技部

陸上の前後の記事

ページトップ