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将棋PRESSBACK NUMBER
「あまり気にせず今後も」藤井聡太21歳八冠崩しに成功「決死の顔面受け」新叡王・伊藤匠に感服…6歳時、短冊に書いた“七夕の願い”とは
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph byKeiji Ishikawa
posted2024/06/24 11:01
叡王戦第5局の感想戦。伊藤匠、藤井聡太という21歳の気鋭の棋士は、今後も名勝負を繰り広げるはず
「今はだいぶ離されているが、いつか大舞台で藤井さんと対戦したい」(17歳で四段に昇段したとき)
「藤井さんは本当によく考える。強い人ほど将棋が難しく見えるのでしょう。最近は自分も長考派になった」
「常に藤井さんを追いかけてきたので、自分を引き上げてくれた存在」(昨年の竜王戦挑戦に際して)
タイトル戦で藤井に連敗したときには「藤井さんがほかの棋士に敗退するのを見たくない」と思ったという。
伊藤は昨年の竜王戦で藤井に4連敗し、今年の棋王戦でも3連敗と、タイトル戦で敗退を重ねた。通常なら心が折れてしまうものだが、「藤井戦ではばっさりと斬られるので、ほかの棋士との敗戦より悔しさを感じない」と語った精神的な強さ(もしくは鈍感力?)があった。それが叡王戦での勝利につながったといえる。
「孤高」と6歳時の七夕に書いた「七冠王になる」
伊藤の好きな言葉は「孤高」。
自分を信じて独り超然と邁進する生き方だ。6歳のときに七夕で短冊に書いた「七冠王になる」の文言も忘れないでほしい。
<第1回からつづく>