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「エンドウはリバプールに愛される」名将クロップの予言通り…英国人記者が見た遠藤航31歳への“手のひら返し”世界最強DFは「ソリッドな6番だ」
text by
ジョン・ブルーウィンJohn Brewin
photograph byStu Forster/Getty Images
posted2024/06/30 17:00
移籍当初こそ獲得したリバプールへの疑問符が並んだものの、その実力を発揮した遠藤航。英国人記者の見立ては?
シーズン途中に今季限りでの退任を公表していたクロップ監督の花道を飾ることはできなかった。ただ、その最大の要因は生まれ変わった中盤ではなく、リーグ最多となる79回のチャンスを逸した攻撃陣にあるはずだ。遠藤がネットを揺らしたのは前述のフラム戦の一度だけだが、その価値は実に高かった。
終盤はチームと歩調を合わせるように、遠藤の調子も落ちていった。
それでも、今季のリバプールでもっとも大きく成長したのは、30代の日本代表主将だったと思える。1月にアジアカップへ向かった彼について、リバプールの主将ファンダイクは次のように話している。
「彼は次のステップに進んでいるところで、自信も深めている。実にソリッドなナンバー6だ。モダンフットボールでは、トップチームにとても重要なナンバー6がいるものだよね」
クロップ監督も彼の成長速度について、「トップレベルの発展だと、言うほかない。彼のおかげで、本当に助かっているよ!」と語っている。
この1年の遠藤を10点満点で採点するなら…
最後に、今シーズンの遠藤を採点するなら、7点をつけたい。時間を要しながらも、クロップ監督が築いた“ヘヴィーメタル・フットボール”に馴染み、汚れ仕事を率先して引き受け、アンカーとしてチームの舵も取った。負傷者が続出するチームにおいて、その存在は貴重だった。
来季からリバプールを率いるアルネ・スロット監督には、クロップ監督と通じるところも多い。いずれにせよ、遠藤が来季も自らの仕事をきちんとすれば、今季と同じように主力とみなされることになるだろう。
◇ ◇ ◇
新たなサイクルに入るリバプールでも活躍が期待される遠藤。その一方でアーセナルで3シーズン目を戦った冨安についても、ロンドンの名門クラブ内における競争に打ち勝ったとブルーウィン記者は評価している――。<つづく>