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「エンドウはリバプールに愛される」名将クロップの予言通り…英国人記者が見た遠藤航31歳への“手のひら返し”世界最強DFは「ソリッドな6番だ」
text by
ジョン・ブルーウィンJohn Brewin
photograph byStu Forster/Getty Images
posted2024/06/30 17:00
移籍当初こそ獲得したリバプールへの疑問符が並んだものの、その実力を発揮した遠藤航。英国人記者の見立ては?
当時のスポーツディレクター、ヨルク・シュマツケとクロップ監督は、遠藤の旺盛なエネルギーとショートパスをベースとするプレースタイルは、今のリバプールのフットボールに合致すると考えた。またすでに加わっていたアレクシス・マクアリスターとドミニク・ソボスライは、より攻撃的なタレントで、その後方をカバーする選手としてうってつけだとも思われていた。
序盤戦は先発の機会が限定されていたが、12月3日に行われたプレミアリーグ第14節のフラムとのホームゲームで、終盤に投入された後に値千金の同点ゴールを奪い、逆転勝利に繋げると、指揮官から完全に信頼されるようになった。
「この選手はリーダーだ。ベンチから投入されても、良い仕事をするはずだ」と言ったのはユルゲン・クリンスマンだ。まさしく、ドイツが生んだレジェンドの言葉通りの活躍だった。
今季ハイライトを挙げるならリーグカップ決勝
今季のハイライトをもうひとつ挙げるなら、2月25日に開催されたチェルシーとのリーグカップだろう。ライアン・フラーフェンベルフ、マクアリスターと共に中盤で先発を飾ると、前者は前半に負傷交代し、後者は後半終盤に退いたものの、その2週間ほど前に31歳になった遠藤は延長戦にもつれこんだ激戦を最後まで戦い抜いた。
加入当初は懸念材料にも思われたその年齢は、逆にこの時は貴重な経験と捉えられた。途中から中盤に投入されたボビー・クラークとジェームス・マコーネルの10代コンビを巧みに動かしたのだから、当然と言える。そしてビッグセーブを披露したGKカオミン・ケレハー、決勝点を頭で決めたフィルジル・ファンダイクと同じくらい、このファイナルの勝利に寄与──試合最多となる12度のボール回収、同じく最多12回のデュエル勝利と、数字がそれを証明している。
「これまでに何度か言ったと思うが、我々は彼(遠藤)を獲得できてラッキーだった」と試合後にクロップ監督は語った。
「ワタルはそのうち、契約を長期的に延長すると思う。なぜなら彼はパスポート上では30歳だか31歳だが、実のところ、“マシーン”だからね。彼の守備に関する頭脳は突出している。おかげでチームは多くの局面で自由になれるのだ」
名DFで主将ファンダイクの“エンドウ評”が興味深い
リバプールは当時、リーグ戦で首位に立っていたものの、その後に失速し、最終的に3位で終えている。