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「日本のサソウが3.7億円ゲット」「渋野日向子と熱いハグ」22歳笹生優花がまたも快挙達成…3年ぶり世界一で五輪当確か「パリは日本代表で」
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byUSGA
posted2024/06/04 11:02
全米女子オープンのトロフィーに名前が刻まれるのを見守る笹生優花(22歳)
フィリピン出身で4歳の時に日本へ。日本でゴルフすることもできたが、「プロになる」と固く決心をする娘のために再びフィリピンへ。過酷な練習とトレーニングで「世界一」を目指すのは本気で、メジャー10勝でツアー72勝の「アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)の記録を越えたい」と話していた。
5カ国語を話し、これまで14カ国で試合をしたことがあるからか、ワールドワイドな思考の持ち主。だからこそ日本とフィリピンのどちらか一方に縛られることもない。どちらも自分にとって大切な国だからだ。
「どっちを選ぼうと自分は日本人とフィリピン人」――そんな思いが根底にある。
パリ五輪は日本代表に…代表争いは混沌
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そんな状況で迎えるのが今年7月開幕のパリ五輪だ。前回の東京五輪ではフィリピン代表として出場したが、パリ五輪行きの切符を勝ち取れば、2度目の五輪参戦は日本代表となる。
ただ、女子ゴルフ日本勢の五輪出場権の争いは混沌としている。代表が決まるのは6月25日時点の世界ランキングをもとに算出される五輪ゴルフランキング。原則的に各国上位2人に出場権が与えられるが、同15位以内に入れば最大4人の出場が可能となる。
笹生は全米女子オープンを制したことで、世界ランキングを24位から6位と上昇させ一気に日本勢トップに躍り出た。そこに続くのは19位の畑岡奈紗、22位の古江彩佳、25位の山下美夢有といった陣容だ。
五輪代表入りの大本命が笹生となったわけだが、代表決定までの米ツアーは残り3週で、最後は高額ポイントのメジャー「全米女子プロゴルフ選手権」が控えている。結果次第では、米ツアーを主戦場にする畑岡や古江もまだ可能性を残しているため、誰が代表になるのか予測が難しい状況だ。
笹生は「4年に一度しかないので出られるなら出たい」との思いを口にしており、父親の母国である日本の代表としてメダル獲得となれば、メジャー制覇と同等の価値がある特別な恩返しとなるはずだ。