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平良海馬でも髙橋光成でもない…「メジャー評価がいま最も高い西武の投手」今井達也26歳は何がスゴイ? スカウト「防御率1点台を見せて欲しい」
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/05/16 06:01
今季の開幕投手を務め、これまで防御率1点台を記録している今井達也。メジャーからの評価が急上昇しているという
「最近チェンジアップはあまり投げていなくて、真っすぐとスライダーだけで組み立ててきました。チェンジアップを投げなくなったがゆえに制球が安定しなかったというか。そこはまた新しく課題ができました。スコアラーさんとも話して、本来の自分のスタイルは真っすぐ、スライダー、シンカー系のボール(チェンジアップ)の三つがあって力強く投げられるんだって今日の試合で改めて実感できたので、そこは良かったと思います」
「今井は明らかに言動が変わった」
うまくいかなかったときこそ、課題を伸びしろと捉えて前を向く。筆者はサッカー元日本代表の中村俊輔(現横浜FCコーチ)をセルティック時代に4年間密着取材したが、彼の優れた資質はそうした心持ちだった。現在の今井にも通じる点が感じられる。
「今井は明らかに言動が変わりました。自分がチームの中心という自覚を持っています」
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そう話したのは、西武の球団幹部だ。最もわかりやすいのが4月末、チームが最下位に低迷する中で「雰囲気を変えたい」と自慢の長髪を切り落としたことだ。精神論かもしれないが、なんとか苦境を打破したいという気概は周囲にわかりやすいメッセージとして伝わるだろう。
3本柱のハイレベルな切磋琢磨
現状、スカウトの評価を聞いても、西武からメジャー移籍を目指す3人の中でリードしているのは今井だ。同学年の山本由伸にも決して引けを取らないポテンシャルを感じさせられる。
その姿を見て、髙橋と平良は刺激を受けているはずだ。周りの投手陣や首脳陣が尊敬の眼差しを向けるほど向上心の高い3人は、切磋琢磨しながら腕を磨いてきた。
まだ始まったばかりの2024年シーズンを終えたとき、最も高い評価を得ているのは誰か。ともに最高峰の舞台を目指すなか、好影響を与え合って高く羽ばたいてほしい。