酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
筒香嘉智32歳「アメリカで苦闘→いきなり逆転3ラン」の衝撃…青木宣親、黒田博樹ら日本人メジャーリーガー“NPB復帰戦”と比べてもド派手
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2024/05/09 17:03
ハマスタ復帰戦で文字通りヒーローとなった筒香嘉智。日本人メジャーリーガーのNPB復帰戦成績と比べてみると?
東日本大震災で開幕が遅れる中、松井と岩村は4月12日の開幕戦に出場。1番遊撃の松井は3打数1安打、6番三塁の岩村は4打数2安打だった。
しかし松井がこの年最多二塁打を獲得するなど活躍したのに対して、岩村は打率.183に終わる。松井は2018年に古巣・西武に戻って引退。引退後はコーチを経て2023年から監督。岩村も古巣ヤクルトに戻り、退団後は独立リーグ福島で社長を務めている。
カープ黒田は2740日ぶりのNPB勝利
★黒田博樹(広島) 2015年3月29日 マツダスタジアム ヤクルト戦
広島で103勝を挙げたエースの黒田は、2008年、FA権を行使してドジャースに移籍。1年目から先発投手として安定感ある投球を続け、2012年にヤンキースに移籍。ドジャース時代から5年連続二けた勝利を挙げるが、FA年限に際してヤンキースなどのオファーを受けず、当時の年俸の数分の1を提示した広島に復帰。
開幕3試合目の本拠地でのヤクルト戦、超満員3万1540人の大歓声の中マウンドに上がる。先頭の山田哲人を三ゴロに打ち取り、順調な滑り出し。7回96球5被安打5奪三振で零封し、2740日ぶりの勝利。この年も11勝、翌2016年には日米通算200勝も達成し、この年限りで引退した。
★藤川球児(阪神) 2016年3月27日 京セラドーム大阪 中日戦
「JFK」の一人として阪神の勝利の方程式を担った藤川は2012年オフに海外FA権を行使してカブスと契約。
救援投手としての活躍が期待されたが故障で実力を発揮できず、レンジャーズを経て2015年5月にFAとなる。去就が注目されたが、藤川はNPBではなく故郷高知の独立リーグ、高知ファイティングドッグスに入団、先発投手として投げたのちに、翌年阪神に復帰。
「先発に挑戦したい」と開幕3試合目に先発。先頭の大島洋平を左飛に打ち取るなど順調な滑り出しだったが4回、5回と打線につかまり5回自責点4で降板。勝ち星つかず。1勝したものの5月14日からは救援に戻る。以後、クローザーとして活躍し、2020年「名球会入会資格」とされる日米通算250セーブに「あと5」と迫りながらあっさりと引退した(のち特例で入会)。
今も現役の青木宣親は18年開幕戦でタイムリー
★松坂大輔(ソフトバンク)2016年10月2日 Koboスタ宮城 楽天戦
藤川を含む「松坂世代」のフラッグシップとして活躍し、WBCでも2大会連続でMVPに輝いた松坂は2006年11月、ポスティングシステムでレッドソックスに移籍。移籍元の西武には5111万ドルもの移籍金が支払われた。